携帯がなった。
見たことの無い番号が2つ、3つ、17回ほど記載されている。目の前の客(クライエント)と2時間の長丁場で、何気なく携帯に見入ったときだった。
また一回、コールがあった。左手で、話を中断し、右手で携帯を取った。
「もしもし、こちら00署の刑事で11と言いますが、22町33丁目の44さん、ご存知ですか・・
何度もお電話されてるのですが・・・」相手が変わる「先生、ご無沙汰しております。55建設の66デございます・・。」
一瞬、私には思い出す事はできなかった。相手はいつも昨日今日の会話である。こちらは数ヶ月、数年前でもあるのだが。しばらくして思い出す。
「ああ〜、あの時の・・・」
「先生、来てくださいますか、大変な事がおこりましたの・・・」
「電話で用件を言っていただけるとありがたいのですが・・?」
「・・・とても言い切れませんの・・」相手が変わった。「あっ、00署の11です。至急ですね。こちらに来ていただきたいのですが、お時間はどれくらいでしょうか、かかります?」
「えぇ、今ッ私仕事中ですが・・」
長野の雪は下呂の温泉が情緒をかもちだす、高速の新幹線も無く、観光地だけの町は静かだった。
何本かの電車を乗り継ぎ、名古屋の栄町に着いた。
すぐさまタクシーに乗り、その日の内に着くには着いた。覆面パトらしき車が2台、乗車している者一人、こちらに駆け寄る若者が「すいません。ご無理申しまして、とにかく寒いので中にお入りください。」
世の中の事件は数100万件を越す。新聞やテレビは視聴者が(大衆が)飛びつくものを報道する。年間3万人を超える、自殺や未遂事件はネタにもならない。ただ、金や権力、財産があるものはゴマのハエ、パパラッチ、スキャンダルが嫌なだけかも、ゆすりたかりは人権保護がいい意味に働いている。それと、
内部告発。
「00署の11です。遠いところをわざわざ、ご足労おかけ致しまして、こちらの66さんから先生のお話をお聞きしまして、事情はやや複雑化と思われますし・・」
「専任のカウンセラーの99先生はどうされました。私は神戸から来ているんですよ・・・。」
私はイライラして来た。地元に有名な先生は多くいるでしょうに、臭い物には蓋の世界。
風水の置物、絵画、大神殿の様な神棚、江戸時代を思わせるような仏壇、応接室までの道のりは間が有りすぎる。
大理石の大きなテーブルにはインスタント写真が10数枚ほど、被害者の傷、現場の状況・・など。
「早速なんで、申し訳ないのですが。先生と66さんとのご関係は?」
「神戸に遊びに来られた時でしたか、4年くらいになりますか・・・」
被害者の調書が述べられ、何故か住所、生年月日、職業、本名、捺印。
印鑑など持ち合わせていない、左手の人差し指にスタンプである。
「あの占い師さん有名ですよ・・・」
「私はマスコミの作る、霊うんちくとかタレントの占い屋でもありません。ましてやレッテル付きのカウンセラーでもありません。有名人占い師はこんな所まで来ないでしょうに・・・」
警察の野次馬は権力を傘にしつこかった。やくざの脅し透かしよりも、正義の味方でいるから、後ろめたさが無く質問攻めに合う。すると「先生」言ってたのが「・・さん」になっていた。
66さんは孤独だった。金に物をいわせ、あの大宗教の幹部にもなっていて政治にも知り合いがいる。 占い好き、神秘すき、・・・。多くの人をはげますのに身内の裏切りに遭う。あの有名?占い師と喧嘩した人?66さんの言葉で大勢の人が救われてる?
私がした事といえば、般若心経を仏壇、神殿に読み上げ、心のバランスの話を面白おかしくしゃべり、だべり、おじさんジョークをとばすぐらい。
あ〜ぁ私は占い師だったけ?心理療法士だからカウンセラー?
邪気、弱気、病気、・・・私の陽気で消せればいいかも。痛風に糖尿に骨折、切り傷、打ち身、ねんざにエトセトラの猫灰だらけ。
5,6回死んでる人間から見れば、早くあっちの世界に行きたいが、こればっかりは神秘でも無理!
生かされてご縁があるから話する人生かな。
さぁ、今日は何がおこるかなぁ。
一日が経って、新幹線で名古屋から新神戸。
首筋から背中が暖かく感じた。OPAを通って地下鉄へ、ここの占いハウスで昔、店長してたなぁ。
時間が止まり、・・・。
気がつけばパチンコ屋に貢いでいた。「チェストー、お前はもう死んでいる」北斗の拳?