阿部定と言えば、今の若い方たちは「誰?」という感じでわからないと思いますが、40代以上の年齢の方なら、大概ご存じと思います。
阿部定といっても本名ではなく、芸者・娼婦などの仕事を転々としていたため名前をいくつも持ち、本名でさえ定かではありません。
この事件があったのは昭和11年5月18日未明だったそうです。詳細については、知らない方は調べていただければと思いますが、痴情のもつれとはいえ猟奇的で凄まじい事件でした。それ以降、何回かこの事件が映画化されています。(「愛のコリーダ」など)
前述のとおり、本名が定かではない阿部定の方は姓名判断ができませんが、被害者である石田吉蔵はもちろん本名なので、そこから事件の背景を浮かび上がらせることができます。
石田吉蔵、主運11画、基礎運26画、総画36画。11画と36画は人の良さを表します。事実、阿部定の供述でも、石田の初対面の印象は「人の良さそうな、やさしい印象があった」と語っています。そして一番の問題が基礎運にある26画。再三申し上げてまいりましたが、色難、淫乱の暗示があり、特に恋愛面や対人関係でのトラブルは避けられず、変化の大変激しい波乱の人生となる画数なのです。石田吉蔵が殺された昭和11年は、画数からみる年運では吉蔵にとって「混成」で、仕事・プライベート・健康面問わず、最も危険で魔を引く年運です。そして、殺された5月も「混成」の月で、吉蔵の画数から見ても、起こるべくして起こった事件といえます。仮に阿部定と出会っていなくても、女性問題は絶えなかったでしょう。
同じころに起きた事件で、二・二六事件があります。このとき青年将校によって殺害された高橋是清ですが、この時も、高橋是清にとって「混成」の年の「混成」の月に事件が起きています。
これらは偶然ではなく、画数の暗示によって起こった必然なのです。