毎年この季節になると思い出す。
父とスルメイカ。
父は、冬の寒い日、一枚のスルメイカを焼いて、丁寧に剥いで家族でコタツで一緒に食べるのが好きなのだ。
私は、18歳で実家を出てもうだいぶになるが、子どもの頃から「冬」と言えば父とスルメイカが思い出される。
今でも実家に帰ったときは、お決まりのように、夜、ご飯が終わってしばらくテレビでも観ていると、父が「スルメはいらんか?」と聞いてきて、焼いてくれる。(たぶん、ホントは自分が一番食べたいのだと思う)
父が焼いて割いてくれたスルメイカに、家族が皆、からしマヨネーズをつけて食べる。
しかし、時には、せっかく焼いたのに誰も食べないこともあり、そんな時はちょっと寂しそうに一人で黙々とほおばる父・・・。
私はそんな父を気遣って(笑)、「今日はいらないかな・・・」というときも必ず手をつける。
うちは4人家族で、女3人に男1人。(私だけが離れて暮らしているけれど・・・)
家の中でも、女性ばかりの話題には少々付いていけず、肩身の狭い思いをすることもあるはずだ。
野球少年だった父は、もし息子が生まれたら「ゆうすけ」という名前をつけて、キャッチボールをするのが夢だったと言うが、結局娘が二人になってしまい、娘たちは野球には興味も何も示さず・・・(^_^.)
でも、父は「家族団らん」という言葉が多分大好きなのだと思う。
食事も必ず家族揃って食べようとするし、いまだに家族旅行も4人揃っていこうとする。
スルメイカを家族みんなで食べることも、何気ないようで彼にとっては大切な行為なのだろう。
実は、私は父にはよく反抗してきた。
特に、思春期には殴り合いのケンカになったことも1度や2度ではない・・・(けっこう激しいでしょ・・・(^_^.))
でも、今となっては父のありがたみとか、暖かさがよく分かるようになった。
父の寂しさも・・・。
離れて暮らしてるからこそ、かもしれないが。
そして、父は、来年3月で、約40年勤めた仕事の定年を迎える。
「辞めたい」と思ったことも何度もあったらしい。
特に、中間管理職という立場で、上から下から言われて、辛かったらしい。
でも、歯を食いしばって家族のために働いてくれた。
父の働きがなかったら、二人の娘を、私大+一人暮らしの仕送りまで出すことは、難しかっただろう。
学生の頃はそれが当たり前のように思っていたけれど、働き出してから、それがどんなに大変なことなのかを理解した。(うちはそんなにお金持ちでもないので・・・(^_^.))
さて、今まで頑張ってくれた父へのプレゼントは何がいいだろうか。
いくら好きだからって、まさか、スルメイカというわけにはいかないよなぁ・・・
妹と今、話し合っているところだ。