続きです。
もう一度整理すると、アイデンティティのための恋愛では、自分がどう思われているかが気になり、確かめたがります。
「好きだよ」とか「愛してるよ」など、常に言われていないと気がすまないのに、自分からはそうした言葉をかけません。
しかし、いくら「好き」と言われても満足できず、そのうちに、「自分は嫌われているのではないか」という不安が増し、強い嫉妬心を抱き始めます。
相手の自由を束縛するようになり、ちょっとしたことでも、「ほかに好きな人ができたのかもしれない」と思い込み、相手に詰め寄ります。
これでは恋愛が長続きするわけがありません。
仮に別れない場合でも幸せにはなれないでしょう。
アイデンティティのための恋愛は、もともと十代によく見られるものでしたが、最近では、20〜40歳代でもこの恋愛パターンに陥る人が少なくないようです。
要するに、相手の評価(愛情)で自分がどの程度の価値がある人間なのかを知ろうとするわけで、本人は立派な恋愛だと思っていますが、実際には、相手を愛しているわけではなく、自分の価値が知りたいだけなのです。
では、アイデンティティのための恋愛ではない、本当の恋愛とはどのようなものでしょう。
教育心理学者の大野氏は、次の6項目を挙げています。
・相手に条件を求めず、ありのままを好きになる。
・自分のことだけを考えるのではなく、相手のこと、ふたりのことを考える。
・ありのままの自分を、相手に出すようにする。
・精神的に支え合う存在になるよう意識する。
・今だけではなく、将来のふたりのことに思いを馳せる。
・「ドキドキするから好き」という時期を越えて、「安心感や信頼感を持てるから好き」へ移行することを喜ぶ。
要するに、本当の恋愛をするには表面的なステータスにとらわれるのではなく、本質的な意味で相手を好きになること、そして、そのためには自分に対する自信が必要だと言うことです。
では。
アイデンティティのための恋愛 (2)
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