昨日の続きです(今日の文章は前に書いた文章に少々手を加えたものです)。
昨日、書いたように感動的な友情の話というとまず思い出すのが、太宰治の「走れメロス」の話でしょう。
今は知りませんが、昔は文部省検定の教科書に乗っていました。
「メロスは激怒した」の書き出しは誰でも知ってるんじゃないかな。
しかし、この話は本当に目茶苦茶です。
考えてもみてください。
メロスはなんだか辺鄙な村に住んでいて、たまさか町に出てきました。
それで、王様が滅多やたらに人を殺すと聞いて頭に来たんだそうです。
そして何を思ったか、計画もなしに堂々と城に乗り込んで王様を殺そうとする。
この時点でメロスがどれだけ単細胞で無鉄砲などうしよもない人間だということが良くわかります。
こんなのが近くにいたら困るでしょうね。
しょっちゅう迷惑をかけられてもう大変。
当然捕まりました。
その場で殺されなかったのが不思議ですが、とにかく、裁判(現在のものとはまったくちがうでしょうが)で死刑の判決が下り、翌日執行。
しかし、メロスは処刑前の最後の願いでこんなことを言い出します。
ちょっとだけ帰らせてもらっていいですか。
必ず帰って来ますから。
しかもその理由が、妹の結婚式に出たいからだそうです。
妹の結婚式ですよ。
もう目茶苦茶というかなんと言うか。
自分の犯した罪の重さがわかってないとしか思えない。
それにそんなに妹の結婚式が大事なら王様の暗殺を図る前にもうちょっと考えれば良かったのに。
しかし、世界のどこかには死刑囚に刑の執行前に勝手に出かけるのを許すなんて国があるのかなあ。
明日に続きます。
親友の条件:メロスの場合
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