いい加減な語源説(続き)

20160623081438-01b09f9aefd4be2a704aa767c79b99b0fc12579d.jpg続きです。

大体、「historia」という単語が出来たのもキリスト誕生の随分前のことです。

そう云えば、昔、フェミニスト達がこの説を真に受けて、「history」を「herstory」(彼女の物語)にしろなんて要求したことがあります。

英語のことしか考えていないんですね。

傲慢で考えが浅いとしか、言いようがありません。

もう一つ、思い出したので、例を上げます。

離婚で大揉めした女性タレントがオムライスの由来についてのうんちくを披露していました。

イタリアかフランスで、あるレストランに常連客が閉店後にやって来て、何か食べさせて欲しいと言うので、賄いの料理が出されました。

それがオムライスだったのですが、客がこれはなんという料理だと訊くと、特に名前はなかったので、homme(男性を意味し、オームと発音します)のために作ったライスだからオムライスと付けたというわけです。

本当になにからなにまで滅茶苦茶ですね。

まず、hommeはフランス語で、ライスは英語です。

ごちゃ混ぜにするなんてことは日本以外ではしないでしょう。

次に、オムライスは日本独特の料理で、フランスやイタリアにはありません(多分、アメリカにもないと思います)。

さらに、米を使った料理を何々ライスと呼ぶことも日本以外ではありません。

カレーライスも英語では普通、curry and riceと言いますからね。 まあ、オムライスはオムレツのオムとライスを繋げて出来た日本語でしょう。

オムレツはフランス語ではomelette、英語ではomeletですが、その語源はlemelleで金属なんかの薄い層のことです。

これがなぜomeletteになるかについては音位転倒とか異分析とかややこしいことが沢山あるので割愛します。

こうした出鱈目の語源に関するうんちく一見説得力があるので、いつのまにか定着することがあります。

騙されないように注意が必要ですね。

では。 .