昨日の続きです。
ドイツ人精神科医エリザベス・キューブラー・ロスは、死期を告げられた人間は以下のような過程を経て、死を受容するとしています。
・否認:自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階。
・怒り:なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階。
・取引:なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階。何かにすがろうという心理状態。
・抑うつ:なにもできなくなる段階。
・受容:最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階。
もちろん、すべての人がこの過程をたどるわけではなく、いくつかの段階を行き戻りしたり、飛ばすこともあります。
多分この受容期だと思いますが、死を目前にすると大抵の人は、過去を振り返りたくなるようです。
そして、後悔の念に捕らわれます。
「象の背中」(著者:秋元康)という小説があります。
漫画・絵本・アニメ・映画・テレビドラマになったそうですからかなり有名なのでしょう。
ことわっておきますが、私は小説を読んでいないし、映画等も見ていません。
内容をインターネット等で調べて知っているだけです。
それはさておき、この小説の主人公は、余命半年と告げられ、残された時間に今まで出会った大切な人たちと直接会って、自分なりの別れを告げようと決意します。
思いを伝えられなかった初恋の相手や、喧嘩別れした高校時代の親友、昔の取引先の元社長、そして、絶縁していた兄等々。
自分勝手ですねえ。
勝手な感傷じゃないですか。
死期を告げられてからといって、好き勝手に生きてきた人間が他人を巻き込む権利があると言うのでしょうか。
会いに来られた人たちも、主人公に関係なく、平穏に暮らしていたのに、忘れていた過去を突然掘り起こされて迷惑でしょうね。
しかし、死なんてものを振りかざされたら、普通の人は主人公に怒っていたとしても、冷たくすることはできないと思いますが。
まだ続きます。
人生の最終段階にさしかかる(2)
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