見せ掛け店長−脱サラ・コンビニ店長の悲哀

20160722072359-b600517aacefa64611f2a9e574e5ad7654dfa250.jpg昨日、労働者は自分で自分の身を守るしかないと書きましたが、当然ながらそんなに簡単なことではありません。

ちょっと昔のことですが、会社に好きなように使われるのが嫌になって、脱サラする人が結構いました(今でもいるでしょうが)。

そして、コンビニ経営がちょっとした人気になったことがあります。

しかし、ここにも大きな落とし穴がありました。

加盟を勧誘した際の本部の過大な売り上げ見込みの提示、約束されたノウハウやサービスが提供されないといった契約不履行、さらには加盟店の不満を抑えようとする本部の横暴な行動等、さまざまな問題が上げられます。

しかし、最大のものは上納金システムです。

そもそも本部(企業側)と加盟店の交わす契約内容自体が最初から不平等なんですね。本部には一切リスクがありません。

たとえ店側が赤字続きでも毎日の売り上げが本部に送金されるために、本部はロイヤリティの取りはぐれがないんです。そして赤字はそっくりそのまま店の負債となって残ります。

なのに負債が膨らんだために廃業しようとしても、膨大な違約金が発生するために止めたくても止められない。もし、切羽詰って支払い不能になれば連帯保証人に請求が行きます。

ようするにコンビニオーナーだけがリスクを負い、本部は上手く行こうが行くまいが、さらには廃業されても利益を確保できるわけです。

オーナーが替わらず、利益を出しながら営業を維持できるという生存率が20%のチェーンもあるくらいです。

また、多くのコンビニは、365日24時間営業が建前ですから休むこともできません。

そのために小さい店では夫婦が毎日10時間以上働くようなところが少なくないようです。万が一休めば契約を解除され、違約金を取られますから。

要するにサラリーマンを辞めても、大企業から搾取されていることには何も変りはないんですね。

これはコンビニの例ですが、折角起業しても、結局大企業に依存せざるを得ない人は多いようです。

やはり、本当に独立独歩でやっていくには大変な才能と運が必要なのでしょう。

では