かなり前のことですが、「夢をかなえるゾウ」という本が大変売れたそうです(少し前に続編も出ました)。
70万部強ですから大ベストセラーでしょう。
この本は小説の体裁を取っていますが、実は自己啓発本なんですね。
著者によると、自分自身が沢山自己啓発本を読んできて、上から目線のものが多く、なかなか実践できないので、誰でも簡単に実行できる本を書いたとのことです。
余談ですが、著者は31才で、社会的な経験がほとんどない。
もちろん、だからといってこういう本を書いていけないということはないんですが。
しかし、書店に行くとハウツー本やマニュアル本、自己啓発本等が驚くほど沢山置いてあります。
皆さんよほど自分を変えたいと見えます。
しかし、皮肉なことに、自己啓発本を読むような人間は、大抵、長続きしないんですね。
そして、次から次とこの手の本を買い込んできては本棚に並べるなんてことをしています。
ところで、よくある成功者が書いた本は、実際には単なる個人の経験でしかなく、その上多くの場合、単に運が良かっただけなのに、一般論にして説教を垂れていることが多いように思います。
また、仮に大変な努力をした結果、トップに登りつめることができたのだとしても、そんな努力が誰にでもできるわけはありません。
できるような人はそもそもそんな本は読まないでしょうし。
また、一つの分野で超一流と言われる人が、人生論を説くことが結構ありますが、往々にしてこういう人たちは人間として最低だったりします。
最近の人だと差し障りがありますから、昔の人を上げると宮本武蔵や将棋の木村名人が良い例ですね。
彼らは勝負に対するこだわりが尋常ではなく、本当に阿修羅のような、周りの人たちにとってははた迷惑以外の何者でもないような存在だったのに、第一線を退くと突然、人生や品格を語りだします。
そして、大体、きれいごとばかりで、勝つためにどれだけ汚いことをしたなんてことはまず書きません。
わかりやすいので、勝負の世界に生きた人を例に上げましたが、ビジネスの世界でも、政治の世界でも言われる人たちは成功の美しい面しか話さないですね。
話がそれましたが、もちろん、私も自己啓発本を読んだことがあります。
ただ、どんなことが書いてあるんだろうといった興味からで、本気で自分を変えたいと思ったことはありません。
性格がひねくれているので、自分は自分だと思っていて、人が書いたことを鵜呑みにする気になれないからです。
では。
棚一杯の自己啓発本
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