人は退歩するか?(2)

20160925082533-043634cea065b76dc23dce0168b0f1b409dc1193.jpg昨日の続きです。

こうした人間の能力の退化については沢山の思い込みがありますが、もう一つ例を上げましょう。

と言うか、ここからが本論ですが。

独特の教育法で有名なフィンランドでは九九を教えず、電卓を使うように子供たちに指導しているそうです。

こんなことを聞くと、子どものうちは機械に頼らず、基本的な算数を身に付けるべきだとか、九九や暗算をすることで脳が鍛えられ、考える能力が生まれるといったことを言う人が多いでしょう。

要するに子供が頭を使わなくなる、学力が落ちるというわけです。

しかし、こうした意見には何の根拠もありません。

そう思っているだけというか、昔からそう言われてきたから。

また、子供に楽をさせたくないといった考え方も根元にある。

しかし、フィンランドは国際的な学力調査で世界一になっています。

しかも最小限の努力で。

たとえば、フィンランドでは、就学年齢が他国と比べて1年遅い。

1日の授業コマ数も授業時間も少なく、テストも宿題も少ない。

そして子どもたちは学校が楽しいと感じています。
 
さらに言えば、教育の成功が経済にも波及しています。

国民1人当たりの研究者数も他国より多いし、各種調査でも技術革新は世界トップに挙げられています。

失業率は平均より低く、成人の82%が高卒または同等の学歴を持っており、先進国の平均を12%上回っています。

続きます。