続きです。
ある世界的に著名な学者も「九九は不要で学校では電卓を持たせればいい」と主張しています。
実際、調査によれば、電卓を使用する学生は、そうでない学生と比べて数学に対する意識が高いとの結果が出ています。
また、科学、技術、エンジニアリング、数学の分野で高度な計算処理能力が求められる職業を志望する可能性も高いのです。
さらに、計算機に関する学術研究の圧倒的多数は、電卓のような計算ツールを活用することで概念的な理解力が高まると結論づけています。
丸暗記を中心とする教育にも問題があります。
確かにハイテクが普及する前は、抽象的な知識を持つ人間が大切にされました。
しかし、PCやスマホで検索エンジンを誰でも普通に使える時代に、どこかの国の2番目に大きな都市の名前をそらで言えることにどれほどの価値があるのでしょう。
計算も、自分で行なうよりもツールにまかせ、独創性豊かな問題解決策を編み出すことのほうがずっと意味があります。
世の中が進化すれば、教育のあり方も常に見直さなければいけない。
そのときどきのプラットフォーム、つまり与えられた環境を踏まえて、最低限やらなければならないことを見極めるべきでしょう。
よくいるお年寄りのように、根拠のない固定観念に捕らわれて新たなツールを忌避したり、子供に楽をさせるべきではないといった理不尽な考えを捨てなければいけません。
結論を要約すると、子どもたちは九九ではなく、エクセルを使えるようになったほうがいいということです。
では。
人は退歩するか?(3)
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