すそ野を広げる

20160915074440-feda6c376c5a25c02f88bb9271da62b076843eed.jpg昨日の話になんとなく続いています。

最近、良い小説が売れないなんてことをよく聞きます。

下らない本ばかりが売れると云うわけです。

小説の価値をどう判断するかは難しいところですが、文学賞を取るとか、批評家の受けがいいといったところで判断できるでしょうか。

確かに、芥川賞や直木賞だとまあベストセラーになるでしょうが、他の賞だとそうもいきません。

そして、批評家とは言わないまでも本好きにまったく認められていない本でも売れているものは沢山あります。

というか、たとえば恋愛小説等のベストセラー本のほとんどは文学的にはなんの意味もないでしょう。

しかし、私も個人的にはこれらの小説を読む気はまったくありませんが、ファンがいることは良くわかります。

文学的な価値なんか好きな人にとってはどうでもいいんですね。

これは小説だけに限らず、音楽でもなんでもそうです。

まったく聞く気になれないアイドルの歌なんかもファンにとってはものすごい価値があるんでしょう。

音楽性がどうしたなんて関係ない。

おうおうにして、小説でも音楽でも、「違いがわかる」と思っている人たちは非常に排他的、閉鎖的です。

たとえば、最近、かなり昔のドラマですが、「のだめカンタービレ」(原作はコミック)でクラシックが人気を集めましたが、それを苦々しく思っていた昔からの愛好家は多いと思います。

しかし、一つのジャンルが生き残っていくためにはやはりそうしたにわかファンも必要です。

つまり裾野が広くないと駄目なんですね。

一部のコアなファンが素人を馬鹿して、仲間はずれにするようだと、そのジャンルは衰退していくしかありません。

SFが良い例です。

どんなスポーツ、芸術にせよ、コアなファンのためだけにあるのではないことを忘れない方が良いでしょう。

では。