臨死体験の話(2)

20161107090906-f07aced04079bd6e54abc432be279251f97d0289.jpg続きです。

一応説明しておきますと、臨死体験とは、人間が事故や病気などが原因で一度死亡したと医師に診断された後、回復した際に体験したと証言したものです。

評論家の立花隆氏は、よくある臨死体験のパターンとして、三途の川を見た、お花畑の中を歩いた、魂が肉体から飛ぴ出した、などを挙げています。

その他にもいろいろありますが、大体、私たちがよく聞く仏教その他の経典や、聖書などに書かれている「死後の世界」に非常に似ているようです。

しかし、アメリカとインドで数百人の末期患者の証言を集めて、実施された臨死体験の研究では必ずしも肯定的な結果は出ていないんですね。

インド人患者の約半数は臨死体験の最中、死者の王ヤマ(閻魔大王)やその使者であるヤムドゥート、クリシュナ神などを見たと言っています。

アメリカでは13%が、天使やイエス・キリスト、聖母マリアの姿を見ましたが、インドではそんな例はほとんどない。

そして、アメリカ人でヤマやヤムドゥートを見る人は皆無です。

同じように、日本人では「三途の川」を見る臨死体験者が多いのですが、西欧にはほとんどいません。

これは臨死体験が文化的現象であり、体験者の知識、つまり、上に書いたように経典や聖書に書かれている死後の世界のイメージに影響を受けていることの証明だと思われます。

そして、アメリカでは17%、インドでは21%の臨死体験者がまだ生きている友人や家族に会っています。

生きている人間があの世にいるわけはありませんから、これは臨死体験が幻覚であることを示すもう一つの証拠でしょう。

もう少し続きます。

では