誤った因果応報観 (2)

昨日の続きです。

20161217074053-6798af3235528c6f0595347b1ce175cff8808093.jpg因果応報に関して、昔読んだ本を思い出しました。

こんなことが書いてあったんです。

有名な投資家の言葉だそうです。

「相場の神様は、人を出し抜く、ずるさを主とした才能は許されないんです。

たとえば予測不能なアクシデントが起きて、世界的な株安になったとします。

それを本当に神がかり的な才覚で売り抜いて最小限のダメージで済ます。

あるいは逆にプラスに転じたとしますね。そんな人間は後にとんでもない目に遭います。

ケネディ一家がそうで、J.Fケネディの父親はプラスのまま人生を終えましたが、息子たちはご存じの通りです。

相場の神様は、負ける時は潔く負けろ、と云っているんですね」

一流の相場師やギャンブラー(相場もギャンブルのようなものですが)は往々にしてこうした考え方に陥りがちです。

ジンクスを信じ、ゲンを担ぎ、宿命論に走ります。

そして、この人はケネディ一家みたいなわかりやすい例を引き合いに出しています。

しかし、これは一見もっともらしいようですが、非常に浅い痩せた因果応報の考え方です。

しかもケネディ一家の人たちに対して大変失礼でしょう。

あなたたちのおじいさんのせいであなたたちは今不幸なんです。

仕方ないから我慢してください、とでも言うんでしょうか。

よく親の因果が・・・なんてことを言いますが、人が親や祖先のしたことのために不幸にならなければいけないとするのなら、個人の努力は何の関係もないことになります。

自分の人生を自分で切り開くことができないなんてことはあってはいけないでしょう。

大体、どうしてケネディの父親だけを考えるのでしょう。

もっと昔からの沢山の祖先たちの人生すべてを考えなければいけないはずです。

また、ケネディ一家の歴史もこれで終わったわけではありません。

人生の運、不運に関する考え方もさまざまです。

たとえ凶弾に倒れたとしてもケネディの人生がマイナスだったと誰が言い切れるのでしょうか。

弟のロバートにしても同じことです。

厳しい言い方をすればギャンブルなんかやっているから、なんでも勝ち負けで見てしまうような下らない価値観しか持てないのだと思います。

では