国家首脳間の会談で、問題発言があると通訳の責任にされるなんてこともあります。
中曽根さんの時に有名な事件がありましたが、通訳の訳の間違いということにされるわけですね。
そう言えば、同時通訳のほうが翻訳よりも格上だとの見方があるようです。
かなり前の映画で同時通訳者が主役だった映画「インタープリーター」の監督、シドニー・ポラックもそのように考えていました。
主人公が同時通訳者は翻訳者なんか問題にしないと言っていましたから。
まったくの間違いですね。
求められていることが全然違います。
翻訳では時間をかけて単語を選び、文章を練り上げなければなりません。
文学性も要求されるでしょう(文学翻訳の場合)。
同時通訳は精度がせいぜい70%程度ですし、反射的に訳していくものですから、言葉の吟味に時間をかけられません。
だから、同時通訳での訳の間違いはそれほど責められることはない。
これに対して、翻訳したものは後にまで残りますから、ミスが致命的になることもあります。
ところで、普通の人は翻訳というと文学翻訳を考えるでしょう。
しかし、実際には技術翻訳(産業翻訳と言います)のほうが多いし、収入にもなるんですね。
私も文学翻訳はしたことがありません。
もう少しで終わります。
では。
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