続きです。
同時通訳についてもう少し書きます。
同時通訳の仕事は物凄く早く終わることがあります。
1時間未満とか。
それでもパリにいた時は1日分の料金(結構な額です)を貰っていました。
随分割りがいいと思うでしょう。
しかし、当然ながらその前に準備をしなければいけません。
資料やスピーチの原稿を貰うことができればそれを読みますし、駄目なら本や雑誌などを探します。
昔はインターネットがなかったので本当に大変でした。
だから同時通訳の仕事は比較的報酬が高いように見えますが、そのために割く時間を考えるとそれほどでもないんですね。
ついでに言うと、同時通訳ではスピーチの原稿を必ずもらえるものと思っている人もいるようですが、実際にはもらえないことも多いんです。
その上、原稿とは全然別のことを話し出す話者もいます。
それから、ついでに聞く方の立場から言うと、同時通訳ははやり聞きづらいですね。
本当に上手い人でも何か隔靴掻痒感は拭えません。
かなり前にテレビである対談を見たんですが、一方がアメリカ人なので、同時通訳が入りました。
やはり聞きにくかった。
通訳のタイミングが遅いし、話がなんとなくずれているような気もします。
比較的テーマが難しかったと言うこともあるんでしょうが(とは言え、極度に専門的な用語が飛び交ったというわけではありません)。
大体、普通は同時通訳では良くて70 %、下手すると30 %くらいしか伝わらないものです。
だから上に書いたように話がずれるんですね。
まだ続きます。
通訳と翻訳についての誤解の話(3)
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