言葉のインフレーション

20170712070123-9b18444c1fef2630829f32c5afe053d960e450df.jpg言葉のインフレーション現象というものがあります。

わかり易い例を上げると、昔、元弁護士の大阪知事が選挙前に、知事選出馬の意向について質問を受けた時に使った「20000パーセントありません・・・」といった表現ですね。

いつごろから始まったのかは、はっきりとはわかりませんが、可能性がないことを強調したいためにこんな表現が用いられています。

なぜか否定の場合に限られるようです。

「20000パーセントあります」なんて聞いたことありませんから。

言うまでもありませんが、100%が上限でそれ以上はありません。

それをレトリックのつもりなのか、こんなことを言うようになったんですね。

それでも昔は120%程度だったと思うのですが、それこそインフレーションで200%、1000%、果ては20000%なんて言うようになりました。

しかし、皮肉なことに、強調すれば強調するほど説得力がなくなり、結果的にもくだんの大阪知事の例にも見られるように嘘だったりすることが多いようです。

まあ、いくらなんでもこれ以上、たとえば200万パーセントだの2億パーセントだのといったことにはならないとは思いますが(冗談でもない限り)。

そう云えば、「君には10年早い」と言う表現も100年、100万年なんて感じで増えて行ってますね。

どうでもいいですが、100万光年早いなんて本来は距離の単位である光年を間違って使う人もいるようです。

しかし、私はこうした表現をする人の言語感覚をどうかと思います。

安易すぎると言うか。

また、言っていることの信憑性も疑います。

少なくとも弁護士だの、評論家だの、テレビで話をするような人たちはもう少し自分の使う言葉に気をつけて欲しいものです。

意味のない言葉のインフレーションをこれ以上助長しないために。

では。