定年後の再就職

なんでも年金の支給開始が75歳になるんだそうです。

こうなると定年退職後も働いて、収入を確保せざるを得ません。

しかし、いくら仕事をしたくても高齢者が適当な働き口を得るための環境は整っているとは言えないでしょう。

そうすると、少しでも有利な勤め先を得るために、スキルを高めようとします。

たとえば、国家資格の中小企業診断士なんかは人気があると言われています。

日経新聞の調査では、中小企業診断士は新たに取得したい資格1位になっているくらいで、そのためにかなりの狭き門になっているようです。

一次試験の高齢者の合格率は、60~69歳は14.8%、70歳以上は9.3%。

二次試験になると、全体の合格率18.4%に対し、60~69歳は6.0%、70歳以上は18人が受験し、合格者はゼロ。

中小企業診断士資格取得までの学習時間は、一般的に800~1000時間で、2~3年の準備期間を要します。

そして、通信教育で5万~10万円、資格学校では20万円ほどと、費用も結構かかるんですね。

しかし、ある専門家によれば、医師や弁護士、公認会計士、薬剤師の資格なら価値はあるかも知れませんが、それ以外の資格は取得しても再就職で有利に働くことはほぼないとのことです。

それどころか経営者によっては中途半端な資格を嫌う傾向もある。

再就職に有利と思って取った資格が、反対に就職の妨げになるのは皮肉なことですね。

会社である程度の地位についていた人ほどプライドが邪魔をして、見てくれの良い就職先を探し、そのために、上に書いたような資格を取ろうとする傾向があります。

しかし、お金と時間がかかるわりには、ほとんど役に立たないし、場合によっては邪魔になることもあることを認識すべきでしょう。

できれば、ハードルを下げて自分の今持っているスキルを活かしてできる仕事を探したほうがいいようです。

では。