フランスに住む日本人女性は離婚しやすいのか?

少し前のことですが、ネットで「フランスに住む女性が離婚に踏み切る理由」との記事を見つけました。

筆者はフランスに住み、フランスで結婚し、子育てをした二人の有名な女性の例を取り上げて、話を進めています。

なんでも、「フランスと日本では、離婚に対する考え方が違い、フランスでは愛し合っていない夫婦が一緒に暮らすより、離婚したほうがベターという考えが常識となっている。日本では、まだまだ結婚を家と家のつながりと考える人が少なくないが、フランスでは個人と個人のつながりととらえるため、離婚に対するハードルが低くなっている」と結論付けています。

ううむ、何と言うか、あまりにも安直な意見ですね。

まず、フランスに居住する日本人(旅行者を除く)は、4万人とも、5万人とも言われていますが、それをたった2人の有名人の例でひとからげにしています。

大体、この著者はフランスで暮らしたことがないようですが。

まあ、それはいいとしても、本当に離婚に対するハードルが低くなったかどうかは、一般日本人夫婦の平均離婚率とフランス在住の日本人夫婦のそれを比較しないとわかりません。

また、他の外国の離婚率も調べないといけない。

実は、フランスの離婚率は日本と大体同じくらいなんです(このあたりの情報はネットでも錯綜していますが)。

だとすると、上記の理論にはまったく根拠がないことになります(国際結婚は別に考えなければいけませんが)。

ついでに書いておくと、最も高いのがアメリカ・ロシアの二大超大国で(約4.5%:人口1000人当りの離婚率)、北欧諸国もかなり高いようです。

最後に、日本で生まれて成人まで過ごしたあと、フランスに移住した人間は、どちらの文化により強く影響されるかの問題ですが、基本的には日本の文化でしょうね。

子供時代に身につけた(すり込まれた)考え、道徳観はなかなか変わらないと思います。

ただ、フランスに住んでいるような日本人は、もともと一般的な考えから外れた人が多いとは言えますが(私の個人的体験に基づいています)。

では。