散ってしまった想いの残滓は、
いつになったら消えるんだろう。
私はもう、忘れていたのに。
まだ、ネットの世界では生きている。
それはいつ、消えるんだろう。
消したいわけじゃない。
ただ、単にそう想っただけ。
ふと、思い出した。
ああ、そろそろ・・離婚して2年だと。
銀朱様と一緒にいる時間も2年。
夫だった男と一緒にいた時間は、
3年と少しだったから、
長い付き合いだったのだなと自覚する。
思えば、いつだって一緒だった。
私の夫だった男とは、
結婚するまで遠距離恋愛だったから、
よくネットワークゲームで遊んだ。
2人とも目立ちたがり屋で、
若さゆえの熱さがあったから、
今でも暴れまわった痕跡がネット上で生きているのを見て苦笑する。
あの頃の私が振りかざしていた、
稚拙な「正義」という名前の「自己満足」。
画面の向こうに泣いている人がいると、
具体的に「イメージ」できない貧困な能力。
溜息が出てしまうような、
そんな・・足りない私の記録。
そして、稚拙だけれど愛されていた記録。
でも、私の心は動かない。
遠すぎる出来事の様に、
おぼろげに思い出しても、心は動かない。
それでも、確かに、
生きていた私の痕跡が、
このネットの世界には存在していた。
「愛されていたのにね。
愛していたのにね。
どこで擦れ違ってしまったのだろう」
思い出しても心に漣すら起こらないことに、
悲しみを覚える。
もしかして、私は情が薄いのだろうか。
一通り、目を通す。
過去の私を見た誰かが残した、
私についての記録を。
・・・・。
いつか、この朱華という姿も。
私は懐かしく想う日がくるんだろうか?
できれば、それは。
私と銀朱様がやるべきことを終えてからだと・・嬉しい。