全てを焼き尽くすような強さが欲しかった。
でなければ、何も感じないような氷の様な心が欲しかった。
その心の叫びはきっと、「傷つけられたくない」という声だったのだろう。
そして、その我侭な願いがきっと、たくさんのものを傷つけてきた。
元々、静と動で言えば、私は動の人間だ。
いや・・一番最初に生まれたときは静。
でも、静であればあるほど、痛い思いをするのだ。
泣き寝入りをしなければならないのだと、小さな私は理解したんだろう。
だから、動になった。
久しぶりに、自分のためにヒプノを行った。
背の高くない草が広がる草原に下り、空を見上げる。
抜けるような空。風が上に吸い込まれていくような・・。
会いたいのは、私の副人格の1つ。ある、一部分。
イメージの中で瞳を閉じて、望む。天へと、彼女へと続いていく、10段の階段を。
イメージの中で目を開けると、ガラスで出来た10段の階段が出来上がっていた。
それは、少し厚いガラスの板なのだけれど、
ふわふわと螺旋を描くように空中に浮かんでいる。
その先には透明な扉がある。
一度、深呼吸をして扉を開けた。
それはどこかの公園のようだった。
ハイヤーセルフがいた空間とどこか似ていたけれど、荘厳な雰囲気はない。
煉瓦が敷かれて、手入れがされている。公園。
鳥が、いた。何匹も。
その鳥にパンだろうか・・。餌をあげている女性がいた。
私の来訪に気が付いた女性は笑顔で軽く会釈をする。
鳥達は彼女を気遣ったのか、近くの森に飛び去っていく。
私が今回、会うことを選択したのは「慈しみ」のサブパーソナリティ。
私の慈しむ心の形。私が力を借りたい私自身。
色々な話をした。彼女は否定は一切しなかった。
ただ、再考しなければならないことに関して、彼女は問いかける。
「本当に、それでよいの?」と。
私がどこかで引っかかることについての答えを口にするたび、
彼女は穏やかに微笑みながら尋ねる。
「本当に、そう思うの?それでよいの?」と。
さすが自分。
顕在意識は自分のことは良くわからないのだけれど、
潜在意識は自分のことをよくわかっているのだなと改めて思う。
彼女は多くは語らない人格。
語らないけれど、答えをたくさん持っている人格。
それは私が彼女と向き合って、彼女から得ていかなければならないからなのだろう。
答えを言われるのではなく、接していく中で、
私は自分なりの答えを導き出していけるんだろう。
「貴方が失くして、一番怖いものは何?」
問いかけられた。頭の中で、1つの出来事がよぎる。
そして、どうしてその問いが来たのかもわかった。
私が失くして怖いのは、大切な人。私が何より怖いのは後悔。
それに気づかせるための、問いだった。
自分の弱さというパンドラの箱を克服したいから、訪れた場所。
一度じゃ終わらないんだろう。
何回もセラピーを行い、何人もの自分と巡り合わなきゃならないんだろう。
私は、生きていくために他人を倒していく「動」になった。
でも、今は・・他人を癒す「静」になりたい。
元の弱い「静」ではなく。
全てを受け入れ、なお「静」でいられる強さ。
それが私の目指すところ。
楽しもうじゃないか、自分のセラピー。