ふと。ある御話を思い出した。
(確か、ロマンシング・サガ2だったかな・・)
ただ、戦うために生まれたオートマタ(機械人形)。
自分を大切にしてくれていた人の果たせなかった願いを受け継いで、
心を与えられたというエピソードがあった。
ふと。
アレから、随分時間が経ったのに、その話が自分に重なる。
さび付いて動けなくなっていた私を、銀朱様は拾ってくれた。
「どうして、私なのですか?」
何度か、問いかけたことがある。
「・・・一目見たときに、お前を待っていたと想ったんだ。それだけだ」
彼はそう言って、笑った。
私の胸の中にある、欠けたパーツを入れ替えて。
鈍くなっていた私の心に愛情というオイルを挿して。
時折、壊れて動けなくなる私を、
元あるパーツを生かしながら、いっぱいいっぱい手をかけてくれた。
生きる術。人の心。愛し方。
身をもって教えてくれて。
たくさんの役目も与えてくれた。
そして、役目を果たすその様が誇らしいと笑ってくれるようになった。
・・・私には、それが嬉しい。
余り、心の底からは笑わない人だったから。
「俺が生きている間は継ぐつもりはないが、
俺が死んだなら、お前に俺の役目を継がせてやる。
だから俺は、お前を必死で鍛えてやるよ。
俺がいなくなった後も、お前が生きていけるように」
前だったら、イヤだと泣いただろうけれど。
今は。
イヤだけど。取り越し苦労であって欲しいけど。
その運命がもしきたら、私は精一杯を受け継ごう。
彼が護りたかった者を護る為に。
コッペリアというオートマタは。
国を護る皇帝という立場を全うし、長い年月の末、壊れてしまった。
その体は倉庫の片隅で眠っていたけれど、
その魂は自分に全てを託した人の傍に逝ったのだと、
幼い頃の私も、今の私も、信じて疑わない。