大切なものを見失わせてしまったのか。
なくさせてしまったのか。
どちらにせよ、私は、打ってはいけない手をうってしまったように思える。
亡くしたのか、壊してしまったのか?
そうではないのか?
今は考えている時間ではないだろう。
考えて答えが出るなら、
もう、正しい答えは導き出せているはずだから。
心はいらない。
その方がラクになれる。
俺は機能で、俺は人じゃない。
その方が、お前にとっても俺にとってもいいことだし、
俺、その方が、ラクなんだ。
俺は、機能で構わない。
夢を見た、俺が愚かだった。
生まれてきてはいけなかったんだよ、やはり。
そう思わせてしまったのは、私の言動と行動だ。
今。
・・・今までで、一番多分、遠くて近い距離にいる気がする。
あの人が、笑って、嬉しそうに置いていったドーナツは少し硬くなってしまって。
・・・泣かずに一口だけ食べた。
「こんな俺には飽きるよ。お前。1年もしないうちに」
そう、言われたけど。
・・・・前向きなんだろうな、私は。
「まだ、傍にいてもいい」
そう、取ったのだから。
・・・悲しくて、涙が出ると想ったのに。
泣かないし、朱華でいられるのはどうしてだろう。
頭は、今、やらなきゃならないこと、できること。
それで、一杯になっている。
ただ。
ぱさぱさしたドーナツは、昨日の夜の甘さはなくて。
私の目の前に、歯形だけ残って、未だ、存在していた。
もう。
しばらくドーナツは食べたくない。
できれば、そんな意味では言いたくなかったが。