「死ぬまで、尽くせ」
そう口にするのに。
尽くしてくれているのは、銀朱様の方だ。
裏切った私を、彼は傍に置く。
あと1度はヤルだろと笑いながら。
言い訳はできない。
・・・しない。
「結果的に悪いことじゃなかったさ」
そう、銀朱様が言ってくれるのは、救いだけど。
未だにデート2回に1回の割合で話が出る(笑
「お前より、俺はお前の未来が見える。
他人様の未来は、俺は見られんが。
俺は、万人向けではないんだよ。お前と違って」
この人の先読みの能力は限定的だが、私より何枚も上だ。
ある特定の条件を満たした人間の未来の方向性を当てる。
それは、仕事上でも、遺憾なく発揮されている。
床に敷かれたラグの上に、ぺとっと座る私の頭を撫ぜて。
銀朱様は穏やかな顔で言う。
「俺。年末年始、ずっと想っていた。
このまま、手を離してやることがお前にとってイイコトかもしれないって。
逆のことも想っていた。
どっかに閉じ込めちまいたいなと。
でも、それじゃ、俺がある日いなくなったら、お前は生きていけない。
・・・・それは、俺にとっては違うんだ。お前がこの世界で、生きていけるようにしてやりたい」
私達はきっと。
複数の運命の重なり(レイヤー)があって、一回り以上年を離れて生まれてきた。
彼が一番大切だった人を失い。
肉体的にも全盛期を過ぎて。
穏やかな時期に入るときに、運命は私を拾わせた。
もう一度、生きるために。
もう一度、生かすために。
そのずっと先で、自分が生きてきた道を振り返るために。
「死ぬまで、尽くせ」
多分、その言葉は。
器用で不器用なあの人の。
「ずっと一緒にいよう」
<補足♪>
銀朱:「お手」
朱華:「わん♪」
銀朱:「おかわり」
朱華:「わん♪」
銀朱:「もう一回お手」
朱華:「わん♪」
銀朱:「はいたぁーち♪」
朱華:「わん♪」
銀朱:「伏せ!」
朱華:「わん(伏せて)」
銀朱:「でも、お前、待てができないバカ犬なんだよね・・・。(なでなで)」
朱華:「・・・・(うるるる)」