飲み会の帰り。
私は、深夜に歩いていると・・5回に2回は酔っ払いに絡まれる。
普通に歩いていると、抵抗しそうにないと想うらしい。
人が良さそうに見えるのか、扱いやすそうに見えるのか。
どちらにしても、昨日もそうだった。
いつも笑っているのがいけないらしい。
夜の世界では、それは「カモ」なんだろう。
「最寄の駅で降りて、タクシーで帰れ。
お前を深夜一人歩きさせたくない」
そう、銀朱様が仰ってくれたこともあって、
私がタクシーを待っていた。
すると、見知らぬ男性が近づいてきた。
「帰っちゃうの?飲みにいこうよ」
誰と間違えているのか?と最初は無視していたのだが、
馴れ馴れしく肩を撫ぜられる。
20代後半〜30代前半の男。
無視をしていたものの、撫でる場所が段々と肩から下がってくる。
「帰ります。・・・触らないで下さい」
こういうときに限って、タクシーは来ない。
この駅にはタクシープールがなく、道の上流で拾われてしまう。
かといって、男にストールをつかまれてしまい。
・・・移動することもままならない。
こんなところで叫んでも、都会は冷たいし。
なにより・・・ケンカになっても仕方がないだろう。
「明日休みでしょ。払うから、一緒に遊ぼうよ」
触れるところが腕から胸の上の部分に変わった瞬間。
手首を掴んで、男の目をじっと見詰めた。
気色悪い感情が流れ込んでくる。
「・・・・・」
無言の圧力と共に、手首に力をかけていく。
真顔で。
ジェルネイルをした爪が後から折れていたから、
相当、その男は痛かったと想う。
その痛みを訴える声も。
どこかの大学生の万歳三唱に飲み込まれる。
「邪魔」
手を離し、ぽん・・と胸元を歩道側に押して、タクシーを強引に拾って帰る。
折れて欠けた爪先の先をなくしてしまったから、
もしかしたら、刺さってしまったかもしれない。
それでも、まぁ、仕方がないだろう。
拒否をする女にしつこくした上、楽しもうとした罰だろう。
都会は、住み辛いなと月齢が高い・・・満月に近い月を見上げて、想う。
いつか全部終わったら。
穏やかに暮らしたい。