私の推測が正しいか。
銀朱様に確かめてみたかった。
日曜日の銀座の夜。
お目当ての店は日曜休みで。
それでも、いつもより静かな店に行った。
ゆっくり、話をしたかったから。
私は知りたかった。
彼の下に集う人間が、私以降、この4年・・増えない訳。
私の過去視で見た彼はと今の彼は、まったく別人だと想うくらい違う理由。
彼の下から離れた人が、ことごとく悲しい道を辿る根源。
その答えを、知りたかった。
「貴方が以前、一緒にいた人たちとに向けた育て方と。
今の私に向ける育て方が違うのは。
貴方が育てる人間をこれ以上増やさないのは。
以前のやり方では違うと、貴方の中で感じたと私は認識しています。
それは、間違っていますか?」
「その通りだ。育て方を・・間違っていた、とさえ、どこかで想っている。
もっと、こうすりゃ良かったと想うことがいっぱいある。
・・・だが、残るものだけ残った。そうも、どこかで思う。
人数を増やさないのは、心がそう、動かないからだ。
俺達は互いに覚悟をして、互いを運命にしたんだ。
運命は、双方の覚悟を持ってはじめて運命になると俺は想う。
運命を見つけた今、それ以上、望むことはないさ」
私より前に彼と出会って。
今よりもっと未熟だった私と大喧嘩をして。
その後、彼のもとから去った女性の「今」を聞いた。
その未来は・・・予測範囲内。
それでも、通常の人間なら、目を背けたくなる有様。
「どうして、子供まで巻き込む。・・母親だろう!」
そう叫ぶ私と共に。
「業が深い、人間故に。」
そう答える私がいる。
慣れすぎてしまったんだろうか、人生の浮き沈みを見る事に、私は。
・・今更、驚けない。
今更、私が何かできることはない。
「・・・私は欠けた人なのかもしれない」
「お前が欠けているなら、俺はもっと欠けている」
酒を傾けながら、沈黙に意識を委ねる。
この年になって、苦い酒がどうしてこの世に存在するか。
少しだけ理解できるようになった。