先日出たイベントで余りいいものではないものを見てしまった。
たまたま、予約が15分だけ空いたので、軽く散歩をしていた最中の出来事。
あるブースの前で、1人の女性が、ブース内の人に話し掛けていた。
「どうしたらいいでしょうか」
話し振りからすると、彼女は相当、切羽詰っているのが感じられた。
「このヒーリングを受ければ、全部治ります。解決しますよ。
貴方が寝ていても、全て解決します。このヒーリングさえ受ければ大丈夫です」
そんな風にブースの人は言っている。
待て・・・それは、ありえん。
そんなヒーリングが、もしこの世にあるのなら、私の贅肉を解決してくれ(笑)
じゃなくて・・・こほん。
そんなご都合主義なんて・・この世界にはない。
「だけど・・・」
女性は迷っているようだった。
傍観者である私が口をはさんでよい問題ではないだろうから、そのまま見守っていた。
結構。5分くらいあーでもない、こーでもないと言う感じで話していたものの、
段々、ブース内の人がイラついてきたようだった。
「受けなければ、貴方はそのままです。別に私達はいいんですけどね」
・・・泣きそうな彼女を横目に、そのブースの人は別の人に勧誘をはじめる。
もう、彼女のことについては、諦めたらしい。
私も時間がなかったので、その場所から離れたが・・・。
あれが本当にヒーリングだろうかと、帰りの車の中でも考えていた。
いや、本当は考えるまでもなく。
少なくとも、私の答えは「否」だ。
万人の答えではないことは重々承知だが、私の答えは「否」。
そんなもんがあるなら、この世に苦しみはないだろうし。
生まれてくる価値も見出せない世界になるだろう。
それに、金を払えば、全部解決してくれると言う風にも聞こえる。
癒しってそういうものだったか・・?
いや、それより先に。
そのヒーリングを受けて、寝ているだけで解決する。
そんなものがあるんだろうか?
人生、苦しんで、乗り越えて、成長してナンボだろう・・。
その醍醐味を失ったら、
出汁のない味噌汁とどっか同じで・・味気ないだろう。
汚い地上だからこそ、人のやさしさが嬉しい。
奇跡なんてめったに起きないからこそ、すばらしさが分かる。
当たり前を失う可能性があるからこそ、ささやかな当たり前が穏やかに輝くように。
終わりがあるからこそ、有限だからこそ、人生を懸命に人は生きようとする。
終わりがないなら、今日やることを100年後にやっても同じなら、
人は息をすることさえしなくなるかもしれない。
万人の価値観じゃないかもしれないが、少なくとも私の価値観はそうだ。
故に、私はそんな都合の良いヒーリングなんて、ないと想うし・・。
逆にあってはならないと想うのだ。
あの、会場で泣きそうな顔をしていた女性に対して。
私は何もできなかったけれど・・。
せめて、彼女の迷いが晴れるように、今夜は祈ろう。