「ったく・・・お前は・・(くどくどくどくど)」
帰ってくるなり、お説教からはじまる。
いつもの様子にちょっと安心して。
銀朱様のそのお説教に耳を傾けていた。
「お前はパーフェクトで、土付かずに、いけると想ってるのか!
いけるはずがねぇだろ!ったく、落ち込むことでもない。
大体・・・・・失敗から人は学ぶんだよ。そんなことも分からず、今日まで生きて・・(以下略)」
いつものペースでのお説教&アドバイスが2時間半。
疲れているだろうに、一生懸命に私に教えてくれる。
「この程度のこと、予測範囲内だ。
そのために、俺がお前の傍に行くんだ。
お前が悪いことをした日は、泣くまで説教だ。
職場で泣くなよ・・。泣くならトイレで泣け。俺は一切お前に甘い顔はしてやらん」
あと2W。
色々なことを彼は私に叩き込んでいる。
全力を持って。
試験を経ることにより得た知識を知恵にしていく術を、
私は今、施してもらっている。
望まれて生まれてきたわけじゃなくて。
望まれて生きているわけでもなくて。
紆余曲折して、双肩に色んなものをのせている私達が。
同じ年ではなく、一回り以上離れて生まれたのは、
きっとそういうことなんだろう。
最近想う。
私達は恋人じゃなくて、親子に近いな・・と。
親子から、戦友になるには、もう少し先だから。
鬼軍曹のように、
多分、職場で一番、叱ってくれるんだろう、きっと。
「お前と・・こうして話しているのが、一番いいな。生きてるって感じがする」
帰り際。
お家のことを話した後、苦笑しながら言われた。
ありがとう、としかいえなかったけど、
もっと、生きてるって思える時間が増えればいいと想う。
「じゃ、行って来る」
「あ・・・あの・・・。ぎぅ・・・です。ぎぅ・・」
「ああ・・・」
玄関で、背伸びをしながらぎゅっと抱きしめた。
いつもより、強い腕が、彼の心が痛かったのだろうということを教えてくれた。
「しっかり休め」
階段に消えていく背中は、ちょっと照れくさい顔をしていた。