七福神でも有名な大黒様は、本来は破壊神であるシヴァ神の化身であり、仏教に
帰依するまではとてつもなく恐ろしい形相をした魔神でした。それがなぜ現在の様
な穏やかな顔つきになったかというと、日本に入ってからは名前が似ていると言う
事だけで、神道の神である大国主命と併合されて祭られるようになったのです。
しかしいくら名前が似ているといえど、福の神と暗黒の神では、性質が全く違う為、
実際に作法の世界では何かと厳しい制限が生じてきます。
純粋に神道の神である大黒天さんであれば、根本的に穏やかな神様ですので、少々の
無礼があっても法罰を下す事はありませんが、シヴァ神の化身と言う事であれば元が
魔神だけにそうはいかず、作法を誤ったり、間違ったお祭りの仕方をするとたちどころ
に何らかの法罰が下るのです・・・。
それだけに何かと危険の多い末尾に天が着く神様ですので、今も今後も、私は仏像を
直接自宅でお祭りしたいと言う方には、必ず止めた方がいいですよ!とアドバイスす
る事でしょう。
しかし純粋に七福神の飾りなどや、リビングなどに飾ってあるだけの仏像であれば何
も問題はありません。ただし何が何でも作法はせず、そのままにして置きましょう。
一度作法をしてしまうと、以後もし続けなければならないという義務が生じますし、
貴方が普段知っている神様は、実は大黒天様の様に魔神であったりする場合もあるの
で、触らぬ神に祟りなし・・・とはまさにこの事です。
また、インドの神がそのまま神道の神と同一視されている場合もあれば、逆に神道での
姿のままであれば、あまりにも形相が恐ろしいので、敢えてインド側の姿を採用してい
るのもあり、その代表的な物が弁財天なのです。
実際に神道での弁財天は、八岐大蛇(やまたのおろち)と何ら姿形が変らない、大蛇の
神様で、現代風に言えばキングヒドラと変りません。もしこんな姿の弁財天様が、宝船
にのっていたら、とても福が到来したとは感じませんね。
と言うことは、大黒天であれ、弁財天であれ、実際にどちらの神仏へ参拝している
事になるのかと言うと、答えは一回の参拝で2つの神々に参拝している事になるのです。
それ自体を神仏自身も了承しています。その結果、大黒天のようにまったく性質が異
なる神でも、一回の参拝で二種類の加護を得られますので、ある意味楽な参拝方法か
もしれませんね。
とは言えど・・・シヴァ神を仏教では大自在天として表現していますので、シヴァ神の
化身である大黒天様を参拝すれば、大国主命から加護を得られ、シヴァ神からも加護
をえられるでは?と考えてしまうのですが、聖観音が33種類の観音に変化する事か
ら、三十三観音と呼ばれるようになったのと同様、考えるとキリがありませんので、
天部の神様には諸龍天神共通真言さえ知っておけば、参拝も供養も非常によい物とな
るので、ある意味楽ちんです。
諸龍天神共通真言:オン ロキャ ロキャ キャラヤ ソワカ(7回・21回)
この真言は八幡大菩薩や如来・観音を除き、天照大神から稲荷大明神まで、全て
神々は天部に該当しますので、言わばオールマィティな真言で、神前で唱え
る事が出来れば効果的です。