占い師が語る、占い師の日常から占いの極意まで・・・

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井口清満の占いブログ

みなさんにとって、少しはお役に立つお話を出来ればと思います。
このブログが、沢山の方の目に止まる事を願い、書き続けていきます。

2007-06-29

次回のお話の予定

次回は、私のライバル的な存在に発展する人間が登場します。
足首を握り締める「手」です。
ご期待下さい。
Posted by kiyoman at 22:32:30Comments(2)TrackBack(0)
2007-06-28

子供との会話

私の息子で、高校一年になる息子がいます。
今 オンラインゲームにはまっている様なのですが、その息子がポツリと一言 言いました。
お父さんは、ゲームでいるキャラ的には、白魔導師系か、賢者けいだね・・・と
ゲームには、戦士系や魔法使い系など、バラエティにとんだメンバーがいます。
魔導師と言っても、黒魔導師もいて、これはおもの攻撃系の魔法使いなのですが、息子が言うにはなぜ白魔導師なのかと言うと、回復系の魔法を使うからだそうです・・・・なるほど・・・そうか!
と思っていたら、また一言・・・
でもゲームみたいに、即効性はなかなか無いけどね・・・だって。
おいおい ゲームやアニメの世界だよ それは・・

ゲームやアニメは、平気で死者を生き返らせてしまう・・・ありえません・・・・・

子供の視点で聞くと、面白い物です。
でも・・・子供ながら 小さい時からの親父のしてきた事を、見ていたんだと思いました。
まあ 家に出入りする芸能人を、沢山見てきたのも息子でしたから・・・・
Posted by kiyoman at 22:15:31Comments(0)TrackBack(0)
2007-06-27

サイコメトリー

みなさんはサイコメトリー能力をご存知でしょうか?
行方不明者などの、その人の持ち物を触ると、その人の居場所が分かる。

これは者などでも同じです。
私が好きなものは、お城などの(石垣・城壁)触りです。
よくお城本体は、建て直しなどの現代の手が加えられてしまっていますが、城壁だけは昔のままな所が多いみたいなんです。

それだけ精巧な組み立て方がされているのでしょう。
だからその石垣を触ると・・・・その石の記憶を読み取る事が出来るのです。

「お侍さん?魚屋さん?越後屋(?)のような悪人顔の商人・・・十手持ちが走っていった・・とか」

残留思念・・・これが大きなポイントなんです。
これを読み取る能力があれば・・・・
私が思う サイコメトリー能力は、残留思念を読み取る能力だと思います。
Posted by kiyoman at 22:44:33Comments(1)TrackBack(0)
2007-06-27

お墓の復讐 35

「みなさん・・・今回の事とは無関係かもしれませんが、自分の死を自覚し・・・成仏の道を望み、それが叶えられる状況になったからこそ、生前の体の傷や痛みが消える事になったのです。長い道だったかも知れません・・・私が成仏の道をサポートします・・・あっ!サポートは分からないですよね?成仏の道を私が念じて作ります・・・の方が分かるかな?」

「死んだ事の自覚か・・・俺達もやっと仲間達と一緒にいられるんだな・・・ありがとうよ。あんた達にも迷惑を掛けたな。」

「お互い様という事にしませんか?それでは約束を守るという事で・・・・今から私とこの住職さんで3家の方を上げます。いいですね・・・・」

「頼みます・・・」
そう言って3家の人たちは頭を下げた。
「おう!俺達からもよろしく!待っているかんな?」

「それでは・・・・」
ここからは私と住職さんによる、仏法のコラボレーションで、無事に成仏を完了した。

それと同時に、いままで沢山いた霊体たちの気配が消えた・・・・・
やはりお坊さんだけあって、他の人よりは霊たちに対して、独特な霊気を感じていたそうだ。

その時の感想は・・・「本当に怖かった・・・」でした。
このあとお寺のご協力もあって、大急ぎで慰霊塔を建てる事が出来、入魂式も終わり供養も完了した。

長き年月に渡る、土砂災害の継続・・・・
苦しさの継続・・・偶然が重なった時に、恐ろしい結果が待っていることもあるのです。
今回のお話は、けして珍しい事では無いそうです。

今でこそそんな建築はしないと思いますが・・・
                  完
Posted by kiyoman at 21:34:59Comments(5)TrackBack(0)
2007-06-26

お墓の復讐 34

「早急に3家のお墓を建て直します。小さな墓石で良いという取り計らいにも感謝します。」

私は素直に頭を下げた。今のご時世、お墓を建てるとなると、数百万にもなってしまうからである。

「いやいや・・・重い墓石が嫌だからそう言っているだけだ・・・気にする事はない・・・」

「そうだ!おい お前達・・・どうせ墓参りに来てくれる者たちもおらんことだし、ここは3家の合同墓を建てて貰えばいいんじゃないか?」

老人の霊がスッと近くに来て言った。

「合同墓?いいな・・・俺は賛成だ・・・どうせお骨も無い事だしな。お前達はどうだ?」
高岡の霊は、他の無口な2家の霊に聞いた。  

「俺達もそれが嬉しい・・・なあ あんた達・・・俺達をお参りしてくれるか?頼むよ・・・誰も来ないのは寂しいから。それが条件だ・・・・」

「分かりました・・・合同墓・・・それは良い考えですね。慰霊碑みたいな感じですからね。どうせなら皆さんも越してきませんか?」

私はとんでもない事を提案したのかもしれない。

「良いな!そうしよう・・・あの時に満足に弔ってもらえなんだ・・・今やっと・・・それ良いな」

みんなから賛同する声が一斉にした。

「それでは約束します。皆さんの名前を教えて下さい。それから亡くなった年齢を・・・・」

「おい・・・どうした事だ・・・俺のつぶれていた足が・・・戻っていく。」

「俺もだ・・・手が・・・手が治っていく。痛みも消えた・・・信じられない・・・」
                  続く
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2007-06-25

お墓の復讐 33

落石事故による死・・・・押しつぶされての圧死。

思い土砂や岩の下敷きになって死んだ人たちが、今度は他所の家の下敷き・・・・
何とも辛い話であった。

「私はもう静かになりたい・・・でも一言だけは言ってあげたかった。この痛さ・・・苦しさを」

お墓の住人はポツリと言った。

「私達は安らかな死を望む・・・大きな石のお墓はいらない・・・小さな墓石で十分だ。」

もう一人の住人も言った。

「豪華な墓石なんか作られたらたまらない・・・重いのは嫌だ・・・」

最後のもう一人もそう言ってうつむいた。

「皆さんの遺骨自体は不明になってしまっているのですが、墓石だけでよろしいですか?」
私は真摯に聞いた。

「骨か・・・骨なんかとっくに溶けてなくなっちゃってるさ・・・だから構わんさ・・・」

そしてその3人のお墓の住人は、見守っていた昔の仲間の下へ行って、頭を下げた。

「すまない・・・もう俺は死んでいないなんて言わない・・・そんな俺達の為に、みんなで救いの手をこうやって差し伸べてくれた事が嬉しい。本当にすまなかった・・・」

「ああ・・・これで・・・これでみんな一緒だ。さあ 帰ろうぜ・・・安らかな所でゆっくり休めよ」

「ああ・・・行こう・・・・墓の事は頼む・・・」

墓の住人が私を振り返りそう言った。

「分かった・・・ここのご主人と住職さんに、私から良く頼んでおくから・・・心配しないで・・・安らかに眠って下さい。」

「ああ・・・そうするよ・・・やっとあの時の事故から時間が動く・・・それから・・・ここの息子の件・・・済まなかったと伝えてくれ・・・怒りに任せてしまった結果で、かわいそうな事をしてしまった。俺にも同じくらいの息子が居たと言うのに・・・本当はみんな後悔していたんだ・・・申し訳なかった。」

「その息子さん・・・幹夫君ならここに居ますよ。さあ 幹夫君・・・顔を見せてあげなさい。」

私の横に幹夫君が現れた。
「おお・・・・これは・・・本当によい若者を・・・済まなかった・・・許してくれまいか・・・この通りじゃ・・・」

「もうすべて終わった事ですよ。僕の事も・・・皆さんの辛い過去も・・・僕はこうやって両足で靴を履けたし・・・貴方達を怨んだりしません。」

幹夫君は 笑顔で爽やかに答えた。

「そう・・・そう言ってくれるか・・・ありがとう。
みんな昔の事か・・・そうだな。君が許してくれるなら・・・俺達もこの家を許そう・・・なっ!」

                続く
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2007-06-24

お墓の復讐 32

不気味な鐘のような音がしたと思ったら、倒れた3つのお墓の上に、人影が現れた。
山下家・森本家・高岡家のお墓の上に、それぞれの一人ずつの人影だった。

「この人たちが、お前達を供養して下さるとさ?まあ当然だけどね・・・・」

「貴方達には申し訳ない事をしてしまいました。お墓を建て直してもう一回供養をしたいと思います。しかし・・・みなさんのその足は?」

そこに立つ人影たちは、みなどこかを押しつぶされたような怪我をしているようだった。

「おお・・・気がついたか?」
「まさか?この人たちの死因は?幹夫君の死と関係有るのでは?」

「こいつらは、みなこの村を襲った落石事故の被害者さ・・・そういうわし等もみなその落石事故で死んだんじゃがな・・・・」

「落石事故ですか・・・・足がつぶれていますね」

「そりゃひどいもんだったよ・・・みんなは直ぐに成仏の道を辿ったけど、この者たちは思いを断ち切れなくて残ったのさ・・・この落石事故自体は、あんた達には関係ない本当の事故さ・・・ただ たまたま思いを断ち切れない者たちの墓石を埋めちまったから話はややこしい事になったんだ・・・」

「地縛霊だったのに、無理やり・・・それで怨む心が強かったのか・・・・」
                 続く
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2007-06-23

お墓の復讐 31

「私はどんな理由があるにしろ、人間に直接的な危害や死を与える物は許さない・・・・たとえ、悔しい 悲しい思いを強いられてきた霊たちでもだ。」

「ま・まて!そう怒るな・・・おー怖い怖い。そもそもお前は何者なんだ?」

後ろの方で聞いていた老婆の霊が、初めて口を利いてきた。

ここの出てきた霊たちを紹介しておこう。

1 農作業をしていたのだろう60代後半の男
2 若いお坊さん
3 赤ちゃんを抱いた25歳くらいの女性
4 これも農作業をしているような50歳代の女性
5 どうみても堅気じゃないような髭面の男
6 幼い・・・まだ10歳に満たない女の子
7 そして最後に話しかけてきた老婆

これらの霊たちに共通している事は、みな着物姿であるという事だ。
時代背景も同じようだった。

「お前さんは変な空気をまとっているね?やだよやだと・・・そういう空気は・・・お前さんの気持ちは分かっているよ・・・こっちもそのつもりさ」

「じゃあ・・・このお墓の住人の人たちに直接謝りたい・・・出来ないのか?」
「分かったよ・・・おい!出てきなせえ」

その老婆が、倒れたままのお墓に向かって言った。

その横で、違う気に気押された住職が腰を抜かしていた。
「ゴーン!ゴーン!ゴゴゴー・・・・・・」
またしても先ほどのような不気味な音がした。

                 続く 
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2007-06-23

お墓の復讐 30

お墓の人たちを知っているという霊魂たち・・・

「どういう知り合いなんだ?そんなに気にするという事は?」

「俺達はみんな昔ここに住んでいたもんだ。こんな田舎は、ほとんどが仲間だ。」

「同じ部落だったと言う意味か?」

「そうだ・・・部落も部落・・・本当にご近所さ。」

「そうか・・・確かに悪いのはこちら側だと思う。しかし今の家族にはその責任はない・・・それは分かってくれるな?」

「ああ・・・分かっている。」

「でも何故?昨日建てた墓が倒れている?」

「おまえ・・・本当にあれで建て直したつもりか?ふざけるなよ・・・」

「うん・・・それは・・・確かに申し訳ない。私もそう思う・・・許してくれ。」

「こっちだって、祟りたくて祟っているんじゃないんだ・・・死んでまで重石を乗せられる・・・重いんだよ・・・墓石でもな・・・それが他所さんの家だぜ?分かるか?その苦しさが・・・悔しさが」

遠藤さんのお父さんが、私の会話を聞いて、大体の部分を察したように、また再度 提案してきた。

「井口さん・・・みなさんに謝ります。知らなかった事とはいえ、今まで人のお墓の上で生活していたわけですから・・・」

そう言って、お父さんは土の上に膝をつき、土下座をした。額が土につくくらい深く。

「お願いです・・・お墓は直ぐに建て直させていただきます。どうかお許し下さい・・・お怒りを静めて下さい・・・お願いです・・・どうか・・・」

霊たちもその姿を見て、霊同士で顔を見合わせてしまった・・・・

「私からもお願いです。そうでなければ私は殺生をしなければいけなくなります。そうはしたくない」

私はこの時初めて攻撃的な気をあふれさせた。
あまり威嚇的な事は好まないのだが、この時ばかりは必死だった。

                 続く
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2007-06-22

お墓の復讐 29

突然現れたこの墓地の住人達・・・

「もうすでに死者が出ている・・・このお墓を我々は静めたいのだ。」

私は霊たちに向かい、それを説明した。

「死者だと?お前達はよそ様の墓石を、家の土台代わりに使っていたのだろう?それを今更、被害者顔もねえだろうよ!」

老人の霊がそう言い放つ。

「確かに・・・みんなの言うとおりだ・・・今更 被害者と訴えてもしかたないことだと思う。だが分かってくれ・・・今はみんな反省している。だからこうやってお墓を建て直して、供養しようとしているのだ。」

「泣いているんだよ・・・お墓の仲の奴らがよ。お前らの土台になってしまった後には、誰も墓参りに来てくれる者が居なくなっちまったと・・・そりゃそうだろうよ。墓自体が行方不明じゃよ。」

「どうしたら良い?あんた達はどうしたら良いと思うんだ?」私は 静かに聞いた。その時の私の言葉つきの変化を感じ取ったようだ。

「こいつらの墓は、もう墓の形をしていねえ。まして土台になっちまって、土中深くうずまっていたんじゃな・・・お日様を浴びせて上げなきゃな!」

「この墓を建て直したらどうでしょう?!」

突然 割り込むように遠藤さんのお父さんが言ってきた。それは叫びに似ていた。

「おう!それそれ・・・この墓の中の奴らは・・・根が暗くなっちまったから・・・たたる心配はあるぜ?それを防ぐにゃ〜それが一番良い。」

「ちょっと待て・・・お前達は何でこんなに関わる?この3家を知っている者たちか?」

「ああ・・・よ〜く知っているぜ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」
                   続く
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2007-06-21

お墓の復讐 28

「ご住職 もうひと踏ん張りお願いします。」

井口は 大きく気合込めの意味を含めて、拍手を3回打った。
パン!パン!パン!

とても場違いな音だったかも知れないが、この場はお許し願うしかなかった・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
住職のお経に、上手く乗せるように念を送る。

この場の空気が緊張に膨らむ・・・
住職と私の念ずる声だけが大きくこだましたようになった。

知らないうちに汗が額から垂れ、めがねを曇らせていく。

それから5分程経っただろうか・・・・

「住職はそのまま続けて下さい。」
私はそう言って一つの墓石に触った。

その時・・・・突然 お腹に響くような音が聞こえた。
「ゴーン・・・・・・」

「なに?この音は?どこからだ?」
遠藤さんのお父さんと、監督が同時に叫んだ。

「どうやらこの墓石の中からのようです。もう一度聞いて下さい。」

私はそう言うと、もう一度手のひらに念気を集中して墓石にぶつけた。

「ゴーン・・・・・」
「本当だ!この中だ・・・でも何でそんな音が?」
「お寺の鐘の音に似ていますね・・・ん?これは」

「遠藤さん そこを写真撮ってみて!」
私は一箇所を指示して写真を撮ってもらった。

「貴方は・・・誰ですか?このお墓の中のどなたかですか?」
「・・・・・・・・・・・・」
その時、お墓の少し後ろに、一人の男が立った。
その姿は、どう見ても昔のお百姓さんのような姿・衣装をしていた。

「このお墓の中の人ではないのですか?」
もう一度問いかけた。

「ち・が・う・・・俺はその墓の者とは関係ねえ・・・でも・・・その墓が、泣いているだ・・・だから止めに来た。止めてやれ・・・」

「墓が泣いている?貴方はこの墓地の中に眠っている人ですか?」

「ああ・・・・そうだ。見てられねえから・・・来た。いじめんのは止めれ!」

                   続く
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2007-06-21

お墓の復讐 27

そのデジカメに写っていたのは、無数に漂う 大小のオーブであった。

「これは人魂?こんなに沢山?」
遠藤さんは絶句しながら言った。

「オーブと言って、まあ 人魂のようなものですね。霊魂と思ってもらって良いでしょう。」

「それが・・・このお墓の周りに、こんなに一杯?」

「うん・・・そのようです。」
「井口さん・・・私はどうすれば良いでしょうか?さすがにやばいかなと・・・思っています。」

住職が泣きそうな顔で、私に言ってきた。気持ちは早く退散したいのだろう・・・しかし このままでは終われない・・・

「遠藤さん・・・これからご住職のお経の上に、私の念を乗せますので、ところどころでシャッターを押してください。枚数は気にせずに・・・同じ場所をとってもらった方が、比較しやすいので、そのようにお願いします。」

そう言って私は、デジカメを遠藤さんに手渡した。

「さあ・・・・これからが本番です。住職・・・猛一文張りお願いします!」

「はい!分かりました。」
                   続く                  
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2007-06-21

お墓の復讐 26

3つの倒れた墓石の前についた私達は、そこで驚かせる問題にぶつかった。

「このお墓・・・みんな割れていますよ。」
「うん・・・そうね。夜で気がつかなかったけど」

そこにあったお墓は、倒れた拍子なのか上部と下部が真っ二つに割れてしまっていたのだった。

「住職・・・この三つのお墓の表記を書き写してもらえませんか?」

「表記ですか?」
「はい・・・納められている方々の歳や、建立年月日など、何でも構いません。」

「分かりました・・・メモが必要ですね。」

「あっ!私 持ってます。」
そう言って遠藤さんは、カバンの中からメモ帳とボールペンを出して、住職に手渡した。

「それじゃ・・・お願いします。住職」
「分かりました。」
住職はお墓の表記を調べる作業にかかった。

「さあ・・・私の仕事は・・・この塩だ。」
そう言って墓の前にしゃがみこみ塩を一つまみして、お墓にかけた。

「デジカメで写真を撮ってみますから・・・」
こういう時は、肉眼よりデジタルカメラの画像の方が、霊を捕らえやすいのであった。

「カシャ!」
一枚 お墓の上を移した写真に、すでに異常が現れていた。

「この写真を見て下さい。」
そういって私は、デジカメのモニターを見せた。
                 続く
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2007-06-20

お墓の復讐 25

遠藤さんのお母さんが言った一言が気になる・・・

何かが足に絡みついたようだったと・・・

大事に至らなかったから良かったが、もしもの事があったなら、之も私の失態だ。

これでは気が抜けないな・・・
私は、一呼吸 ため息をついた・・・

「あった・・・この塩だな・・・」
粗塩の入ったお皿を持って、戻ろうとした私を、突然 立ちくらみのような現象が襲った。

「????なんだ・・・・この感じは。」
私は自分の額に、右手の人差し指と中指を当てた。

「正常な感覚に戻ったか・・・三半規管に影響が出たのか・・・大したものだな・・・」

私は細心の注意を払いながら階段を下りて、みんなの元へ戻った。

「先生・・・何もありませんでしたか?」
遠藤さんが真っ先に聞いて来た。

「大丈夫ですよ・・・何にもありませんでした。」

私は自然に笑って見せた。

「塩は持って来ました。みなさんも細心の注意をして下さい。さあ・・・お寺へ向かいましょう」

時間で言うと 午前11時頃であった。

「今日は曇り空で、こういう事をやる日としては、嫌な日ですな?」

住職が本当に嫌な顔をして小声で言った。

「同感です・・・」私はふっと笑いながら答えていた。
                続く
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2007-06-19

お墓の復讐 24

ここまでの話を振り返りましょう・・・
お読みになっていた方々のほとんどの人が、幹夫くんをスムーズに成仏させて終わりと言う、有る意味とてもシンプルな、先の想像つく終わり方を想像していた方が大半だと思います。
しかし・・・そのような終わり方のお話は、私の記憶に強く刻まれる事はありません。
これからが本当の意味で、お墓の復讐が始まるのです・・・・・・

ここから続きです・・・・

「お墓に行きましょう。」
「どうしたら良いでしょう・・・私達」

「そうですね・・・まずはお墓を建て直し、少し埋めます。ですから監督さんには重機をお墓に回してもらいたいのです。もちろん今回は、しっかりとお守りしますから、祟りを心配しないで下さい。」

「はい!分かりました。」
監督はそう言って重機に向かった。

「ご住職は私と一緒に、それぞれの方法で霊たちの訴えを探り、静める事に全力投球して下さい。」

「かしこまりました。拙僧に出来るか不安ですが、井口さんとなら・・・出来そうな気がします。」

「大丈夫ですよ・・・貴方はお経のプロですから、それだけでも私は安心できます。」

「あの・・・私達家族は?」

「そうですね・・・今回の責任的には遠藤家にあります。ですから怖いでしょうが一緒に来て下さい。」

「はい!そのつもりです・・・」

「その時に・・・私が作った粗塩の残りを持ってきてください。そしてそれをそれぞれの左手に握った状態で居て下さい。」

お母さんはうなずいて粗塩を取りに言った。

「さて・・・緊張するな・・・・今日は。」
そう言ってお墓の方向を見つめた時だった。

「きゃーっ!」ドタドタ ドスン!!
家のほうで凄い音がした。

「お母さん?」
遠藤さんが走って家に向かった。
みんなも慌てて家に向かった・・・・

「いたたた・・・・階段から・・・足をすべらせてしまって・・・何かが足に絡みついたような感じがしたと思ったら・・・びっくりさせてすみません。あたたた・・・腰を打っちゃったみたいだよ」

「・・・・・・・・」
みんなこの偶然を、ただの事故とは考えにくい状況になっていた・・・・

「お母さん、気にしないで下さい。私が取ってきますから。」

そう言って私は二階に上がっていった。
これ以上 みんなを不安にさせるわけにはいかなかったのだ。
                   続く
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2007-06-18

お墓の復讐 23

その日、私は一旦 帰路についた。
今回は、私の失敗に等しい結果を招いてしまったようだった。

迂闊だった・・・不注意でもあった。
幹夫くんを早くあげてあげたいという気持ちが先行してしまい、お墓の人たちに対する配慮に欠けていたのは事実だった・・・・

私の責任だ・・・何とか明日こそしなければ・・・

次の日が来た。
予定通り迎えの車が来た。

その車に乗って遠藤さん宅に向かう・・・・

策は?
自問自答しながらも、一つの方法を試してみる事にした・・・いや・・・おそらくこれしか方法はないのだろう・・・おそらく・・・・・

遠藤家について車を降りたら、その場には数人の人が私の到着を待っていた。

遠藤さん・・・遠藤さんのご両親・・・住職・・・現場監督・・・それのお姉さん夫婦
7人の人間と、幹夫君の出迎えを受けた。

「みなさん・・・お揃いでしたか?」

私は出来るだけ元気な声を出した。
こういう時の私の言動は、みんなの気持ちを大きく左右する事を、私は良く知っている

「先生・・・本当に大変なお話のご依頼をしてしまい、申し訳ございません。」

遠藤さんが頭を深々と下げて言った。

「あはは・・・何を言っているんですか?まだまだこれからですよ!うん!」

「井口さん・・・私に出来る事なら、お力を貸しますぞ!」
住職もさすがに事の重大さを感じたようだ。

「井口さん・・・俺もこのままじゃ、枕を高くして眠れねえから、手伝うぜ!重機もこの通り用意してきたし・・・・」

「監督さん・・・住職さん・・・ありがとう。お言葉に甘えて今日はお力をお貸し下さい。必要なのです。」

いったい井口は、どのようにして解決しようと言うのだろう・・・・
                 続く
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2007-06-17

お墓の復讐 22

おかしい・・・何が足りない?
私はさすがに焦りを感じた。

確かに3つの墓標の祟りが、この家の長男だけで満足する筈は無かったのだ・・・・

あまりにも怒りの強さに、住職さえ顔色を悪くしていた。

「これは祟りですかね?」
そう住職は、私の顔を覗き込むように聞いて来た。

「ショベルカーの運転者の事故は偶然の可能性があります。しかし・・・このお墓の倒壊はあきらかに何かのメッセージでしょう・・・・」

その時だった!お父さんが何気なく倒れたお墓の一つに触ろうとした。

「ダメです!触っては!!」
しかし その静止は遅かったようだ。

「うわ〜!あ・頭が痛い!!」

お墓に触ったと同時にお父さんの頭を襲った激痛。

「まずい!」
そう言って私はお父さんの背中に回り、頭に気を送った。
20秒近く掛かっただろうか・・・・ようやく落ち着いてきたようだ。

「一旦離れましょう。ご住職!お墓の直しは明日にしましょう。」

「分かりました。その方が良いようですね。」

そう言って住職は、倒壊したお墓に一礼してその場を引き上げた。
むろん私達も引き上げる事にした。

結界を張り巡らす事を忘れずに・・・・
                  続く
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2007-06-16

お墓の復讐 20

「何があったのお父さん?」

「現場監督からの電話です。今日ショベルカーを使いましたよね?そのショベルカーの運転作業員の人が、交通事故で・・・死んでしまったそうです。」

「えっ?死んだ・・・・」

「そらしいのです・・・もちろんプライベートな時間の事故なんだそうですが、あのお墓の発掘の後だけに、これはもしかすると・・・と思って連絡をくれたそうです。

「これは偶然?必然?」
遠藤さんが独り言のようにつぶやいた・・・

「偶然だとは思いますが、このお墓の現状を見ると、物凄くいやな感じはしますね・・・」

私は腕組みをして考え込んでしまった。

(まずいぞ・・・この展開は・・・何が悪い?何をへました?)

私の頭の中は、猛烈に回転し始めていた。

「まだ・・・怒りが収まらないのか?」

私は倒れた墓石を見つめながらつぶやいた。
                続く
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2007-06-16

お墓の復讐 20

「幹夫君・・・良かったな。オートバイのプラモ買ってくれるとお父さんが約束してくれたぞ。さあ・・・そろそろこの世ともお別れしようか?楽になろうな?」

私は幹夫君に微笑みながら言った。

「はい・・・靴がはけて・・・嬉しかったです。もう思い残す事はありません。」

「皆さんもいいですか?
「はい・・・お願いします。」
「幹夫・・・さようなら・・・・」

「では・・・・・・・・・・・・???」
印を結んだ私は、何かの抵抗感を感じて、途中で止めた。

「先生?どうしたんですか?」
遠藤さんが慌てて聞いて来た。
「うん・・・何か 幕のようなものが張っていて、僕の呪文が邪魔されている。」

「邪魔を?お墓のせいですか?」
「うん・・・そうかもしれない。」
そう言って私と遠藤さんは、窓から隣のお寺を覗いた。
例の3つの墓石が見えるはずだからだ。

「先生!!あれ!」

「うむ・・・なんでこうなったんだ・・・直ぐに行ってみよう。」

この時の光景は・・・・
綺麗に並べられていた3つのお墓が、どういう訳か3つとも前向きに倒れてしまっていた。

その前に置かれた、お線香とロウソクの立てられていた台ごと押しつぶすように・・・

「ご住職!お墓が・・・お墓が倒れています!見て下さい!!」
遠藤さんはそのお寺に走りこんで住職に叫んだ。

「何ですと?そんな馬鹿な・・・ちゃんと埋めて安定させた筈じゃから、そう簡単には倒れたりねぬはずじゃ・・・・どれどれ・・・」

倒れたお墓の前に私と住職と遠藤さん家族が呆然と立っていた。

「悪い気を感じるな・・・まだ・・・」

その時遠藤さんのお父さんの携帯電話がなった。

相手は今日 お墓の掘り起こしをしてくれた現場監督だった。

「なんだって!それは本当ですか?」
電話を持つ手が震えていた・・・・
いったい何が・・・まだあるというのだろうか?
                 続く  
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2007-06-14

お墓の復讐 19

両足で、嬉しそうに歩く幹夫くんの姿を見て、私は最後の仕上げに入った。

「幹夫くん いいかな?」

「はい・・・もう・・・もう痛くないんですね?右足・・・両足で歩く事・・・出来ると思っていませんでした。ありがとう・・・」

「幹夫くん・・・お姉さんのお陰だよ。随分頑張ってくれたんだよ。」

「はい・・・見てましたから知ってます。姉さんにもお礼を言いたい。」

「そうだな・・・それじゃ、この写真たてを動かせるかな?君の手で・・・」

「やってみます・・・・出来そうです。少しなら」

「それじゃ、君の手で、その写真をお姉さんの方に向けてくれるかな?」

「はい・・・・・」

「遠藤さん!今の話を聞いていたと思いますが、幹夫くんは、貴方のお礼を言いたいと言って、今 必死に写真たてを、貴方の方へ向ける事によって、自分の存在と気持ちを伝えようとしています。見ていてください。」

「そうなんですか?・・・幹夫ったら・・・」

「頑張れ!幹夫。」
お父さんが叫んだ。

「幹夫!!もう少しよ・・・幹夫!」
お母さんも叫んだ。

その時写真たてが、僅かだがスッと動いた。

「やったね・・・幹夫くん。上出来だよ。」

「幹夫・・・本当にここに居るのね?ごめんね・・・時間が掛かっちゃって・・・もっと早く気がついて、井口先生にお会いしていたら・・・本当にごめんね。」

また写真たてが、今度はカタカタと震えた。

「幹夫くんは、そんな事は無いよ・・・感謝しているから・・・と言っていますよ。とても穏やかな顔だ。」

「ありがとう・・・・幹夫・・・それに井口先生」

「さあ・・・これから幹夫君を天上界に上げます。一度のチャンスですので、へまは出来ません。よろしいですか?」

「あの・・・幹夫が、私に最後に欲しかった物は何だったか 聞いていただけますか?」
お父さんが最後に声を張り上げて聞いて来た。

「実は・・・幹夫が死んだのは、もうすぐ誕生日だという矢先だったもので・・・プレゼントの話も・・・・途中だったんです・・・だから、せめて仏壇に飾ってあげたくて・・・間が悪くてすみません。」

「それ。。。大事な事ですよ。お父さん・・・幹夫くん・・・最後に君が欲しかった誕生日プレゼントは何だったのかな?」
私は幹夫君に向き直り、聞いた。

「僕がねだったのは・・・プラモデル・・・それもオートバイの・・・手しか使えなかったから、プラモデルでオートバイを作って、夢の中で遠くまで走っていけるかな?と思って・・・」

「お父さん・・・オートバイのプラモデルが欲しかったそうです。かっこいいヤツをお願いしますね」

「は・・・はい!オートバイか・・・そうか・・・歩く事ではなく、オートバイか・・・すぐに必ず」
お父さんは大きくうなずいた。
                  続く
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2007-06-13

お墓の復讐 18

テーブルの上で、カタカタ動き出す一対の靴。

それは人に寄れば「気のせいだよ」で済まされてしまうかも知れないほどの、微妙な動きだったかも知れません。

しかし、その時 そこに居合わせた人たちにとっては、どうしても気のせいでは済まされない、靴の動きだったのです。

「これ・・・この靴・・・踊ってるよ?」
遠藤さんが拍子抜けするような感想を言った。
その状況下では、それしか言えなかったらしいのです。
「井口先生・・・この動きは?幹夫ですか?」

「そうです。幹夫君が皆さんに、靴を触って見せてくれているのです。」

「それで?・・・それで幹夫は喜んでいるのでしょうか?」

「はい・・・ニコニコしていますよ・・・」

「・・・・・・・・・」
遠藤さんもご両親も、声が詰まって何もいえなくなった。

「それでは・・・見ていてください。この靴を幹夫君用にしてから、彼に返してあげますから・・・」

そう言ってテーブルの上のスニーカーに向かって、再び印を結んだ。

「さあ・・・この靴は床に置きます。幹夫君・・・聞こえるか?この靴は君のものだ・・・左右揃えて君に返すよ。」

「幹夫!姉さんよ・・・ごめんね。時間が掛かりすぎだよね?本当にごめんね・・・・クッ!」

「幹夫・・・すまない・・・本当に可愛そうな目にあわせてしまって・・・この家のせいだ・・・いや 父さんのせいだ・・・許してくれ・・・・」

その時だった・・・今度はスニーカーはそのままなのに、フローリングの床を歩いてくる音がはっきりと聞こえた。

時折 キュッと、スニーカーが床をかむ音をさせながら・・・ゆっくりと歩いている音がした。

「歩けたね・・・両足で。幹夫君・・・・これで君はしっかりと両足で歩けるんだよ。」

私の目には、ニコニコしながら、どこかまだぎこちなくスニーカーをはいて歩く幹夫君の姿が見えていた。

                   続く
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2007-06-11

お墓の復讐 17

「特製の粗塩?」

「そうです。霊力を最大に高めた気を、練りこんであります。普通の塩とはまったく違うのです」

私はそう言って、テーブルの上の靴の前に、幹夫君の写真を置き、粗塩の小瓶のふたを開けた。

粗塩を手の上に出し、それをギュッと握り締める。

改めて新しい気を入れて、仕上げる粗塩・・・
私的には聖水に近いものと思っています。

私は その粗塩を靴の上にばら撒いた。

靴に満遍なくかかるように注意しながら・・・

それから印を結び・・・・念を靴に向かって最大に放出した!

「幹夫君・・・この光が見えるか?靴を良く見たまえ・・・君の靴だよ・・・両足揃っている・・・」

その時であった・・・家族が見守るテーブルの上の靴が、カタカタ鳴り出した。

(今 これを詠んでいる方の中には、まさか・・・と思う方もいらっしゃると思いますが、それは詠む人の自由ですから・・・)

                 続く
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2007-06-10

お墓の復讐 16

それから15分ほどの時が流れた・・・

「これで揃いましたね。」

眼の前のテーブルには、広げた新聞紙の上に、片足分が少し汚れたスニーカーが乗っていた。

そしてその前には男の子の写真・・・

「うん・・・この子が幹夫君ですね。間違いないようです・・・私に話しかけてきた男の子です。」

「今・・・幹夫はどこにいるんですか?」

「この部屋に居ますが、まだ呪いが効いているせいか、自由には動けないようです。言葉もまともには聞き取れません・・・」

「呪いは取れたんではないので?」

「いえ・・・そんなに簡単に・・・取れました!という訳には行きませんよ・・・供養をしたのがさっきです。このお墓の下敷き期間は、気が遠くなるほど長いのですよ・・・まだ・・・残っています」

「下敷きになっていた期間・・・か。」

「だから・・・だからこそ 私がここに居るのですよ!」

そう言って私は、カバンから粗塩を出した。
私の粗塩は、市販の粗塩に、自分の練りこんだ気を、特殊に混ぜてある特性の粗塩である。
それをハードな仕事の場合は持ってくるようにしてあるのだった。

「先生・・・それは?」
遠藤さんが私の小瓶を見つけて聞いて来た。

「粗塩です・・・それも特製の・・・」
               続く
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2007-06-10

お墓の復讐 15

「幹夫君は、成仏できていません。」

「先生!幹夫の足は、まだ片方だけなのですか?死んだらよく生前の苦痛から開放されると聞いた事があるのですが?」

「お父さん・・・それは普通死の場合です。」

{この普通死と他の死などとの違いは、今書いています本に、その違いなどを書いてますので、お楽しみに・・・}

「成仏できていない霊体は、生前の姿のままで苦しみも苦痛も味わいます。ですから幹夫君は自分の右足ようの靴に執着をしているのです。それは生前の感覚そのままに・・・」

「そうですか・・・まだ幹夫は・・・彷徨っているんですか・・・・」

「私の力でも、あの墓石が埋まっていた状態では、幹夫君の霊をあげる事は難しかった・・・だから幹夫君の魂を救うために、どうしても墓石を掘り起こし、その供養が必要だったのです。」

「分かりました・・・私達でさえその事は理解できます。」
お父さんは納得したと同時に、肩を落とした。

「私は、幹夫君を成仏をさせるために、これから集中を始めます。」

「お願いします。」

「遠藤さん・・・ここに幹夫君の右足用の靴と、左足用の履いていた靴を、そろえて持ってきてください。そして新聞紙・・・あとは・・・幹夫君の写真があれば助かります。」

「はい!分かりました。お母さん 手伝って!」

「そうだね!」
先ほどまで一言も発せずに聞いていたお母さんも、涙を一拭いして立ち上がった。

それから15分ほどの時が流れた・・・・・

                 続く
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2007-06-09

お墓の復讐 14

遠藤家に戻った一同は、初めの部屋にいた。

「あの墓石が土台に埋まっていたから、息子の右足が原因不明の骨肉腫で、切断したあへくに転移によるガンで死んだというのでしょうか?」

お父さんが一気に聞いて来た。

「おそらく・・・それを私は感じたからあのお墓が見えたのです。あのお墓を感じたのは、何ともいえない重苦しい怨念だったのです。」

「怨念・・・ですか・・・罪の意識でこうなったわけではないのに・・・・クソッ!」

お父さんは小さく嗚咽をもらした。

「その気持ちは分かります。しかしその家の主は貴方です・・・お父さん。それに男の跡継ぎ・・・それが幹夫くんだったのです。その跡継ぎを恨みの対称にする・・・末代まで怨んでやる、呪ってやる・・・というのと同じパターンです。」

「それでは私が男だったら、私が骨肉腫に?」

「正確には言えませんが、そうだと思います。」
遠藤さんが、両腕で、自分の体の振るえを抑えるようにして聞いて来た。

「可愛そうな幹夫・・・」

「墓石を土台にしていたのも事実。幹夫君が死んだのも事実・・・そして見えない墓石が私の言ったように、掘ってみたらありました。これで2つが線で結ばれた事になります。」

私はここでゆっくりみんなを見回して言った。

「肝心な事は、幹夫君は成仏できていない事です。自分の右足の靴を探し・・・ずっと・・・これも呪いです。ですから墓石を掘り出して供養する事が必要だったのです。」
{・・・・・・・・・・」

「呪いを解けば、成仏させやすくなる・・・・」

                   続く
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2007-06-09

お墓の復讐 13

並べられた3つの墓石・・・
どれも古そうな墓石であった。

角も割れてしまっていて、今のような固い石ではなく、本当に昔のお墓の石のような脆さを感じた。

「これが・・・これが家の家の下に埋まっていたんですね。」

「いえ・・・その表現は適切では有りませんよ。この家の、下敷きにされていた・・・と言う方が正しいでしょう。」

「そうですね・・・この方達のお墓の上で、私達は知らずとは言え、生活をしていたんですものね。申し訳ない気持ちで一杯です。」

遠藤さんは、悲しい目をして3つの墓石を見つめていた。

「井口さん・・・このお墓・・・どうしたら良いものでしょうか?」
遠藤さんのお父さんが恐る恐る聞いて来た。

確かにどうしたらよいか・・・非常に悩む問題だった。

「隣のお寺で供養してもらいましょう。もう古いことでしょうから、仕方ないでしょう。事情を話して、供養を兼ねて、置いてもらいましょう。」

「はい・・・供養代は、今までのお詫びという事で、もちろん出させていただきます・・・しかし、お骨もこの家の下に埋まっているのじゃないかと、とても心配になっているんです。」

「それが・・・お骨はここにはありません。墓石だけをここに持ってきて埋めたようです。これなら怒りますよね・・・」

「お骨はないのですか・・・良かった。お骨まで下敷きにしていたのであれば、たまらなくなります。良かった・・・本当に良かった。」

そう言ってお父さんは、隣のお寺に事情を説明に、飛んでいった。

程なくして帰ってきたお父さん・・・・

「住職は分かってくれまして、直ぐに墓石を運んできてくれとの事です。監督に頼んで、運んでもらいます。」

「うん・・・早い方がいい・・・」

そして3つの墓石は、無事にお寺の中に運ばれて、端の方にだが、何とか立てて改めて置かれた。そして住職のお経と、お線香の煙に囲まれて、その魂は静まった。

「形がつきましたね・・・これからは私の出番です。」

そう言って、一同は遠藤さんに家に場所を移した。

                  続く
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2007-06-08

お墓の復讐 12

少しずつ掘り返されていく土・・・

ガウーン・・・がウーン・・・・

「先生・・・失礼な事を言いますが、掘ってみて何も無かったら、それはそれで大丈夫なんですよね?」

遠藤さんが、希望的な言葉を言ってきた。

「そうですね・・・私の見立てに過ちがあればそのようになります。でも・・・もう少しですよ、申し訳ありませんが、答えが出るのは・・・・」

「はい・・・」

ガウーン・・・がウーン・・・ゴン!

ショベルカーの先が、何か固いものにぶつかった音がした。

「何か、硬い物があるようですね。」
監督さんがそう言って、ショベルカーの動きを止めた。

「みんなで2メートルほどの穴を覗き込んだ。

そこには真っ黒になった板石状のものが、のぞいていた。

「ここからは手堀に変えてみます。」
そう言って監督さんは、穴の中に降りて、ショベルで、気をつけながら掘り始めた。

「その板石の全長が現れ始めた。
大きさは横 30センチ、縦 130センチほどの大きさだった。

「おい!手を貸せ!」
監督はショベルカーに乗っていた男の人に声を掛けた。

2人で何とかその石を持ち上げた。

「おい・・・まだあるぞ!」
一つ目の石をどかし終えた監督は、驚きの声を出した。

「本当だ・・・あと・・・1つ・・いや 2つあるぞ!みんな掘り出してみよう。」

それから1時間ほど掛かって、3つの板石を掘り出した。
並べられた板石に、監督は水を掛けて、表面についた泥を落とした。

そこから現れたのは、表面に浮かぶ、一見引っかき傷のようにも見えるが、よく見ると名前のようみ見える。

「これは・・・墓だ・・・3つとも・・・墓だよ」
監督はびっくりして後ろへ下がった。

そこに書いてある名前は、山下家の墓・森本家代々の墓・高岡家の墓・・・であった。
                続く                 
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2007-06-07

戒名の意味とは

本日お墓の復讐 10・11と2つ載せましたので、是非読んでください。

本日、戒名とは・・・という仕事がありましたので、それについて、ここで少しお話をしておこうかなと思いました。
興味が有る方は、是非 御読み下さい。

戒名とは、江戸時代に隠れ切支丹が広がり、それを抑えるために幕府が考え出した、隠れ切支丹狩りの、踏み絵のようなもので、死んだ時には必ず戒名をつけなければ、切支丹だと言う、荒っぽい方法で考えられた物だそうです。
日本はこの頃 仏教だけでしたから・・・

まあ、お寺の救済という意味も、もちろんあったようですが・・・・
ですから、戒名と言う習慣は、江戸時代から来ている物だという事を覚えておくと良いでしょう。

戒名で、高めなものをつけて、その家の権威を表すという意味合いもあるそうですが・・・・

戒名に値段なし・・・これが今の現状ですから、余り無理なさらないようにした方がいいでしょう。
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2007-06-07

お墓の復讐 11

「遠藤さん・・・正式にこの家の土台の一部を掘り起こし調査 してもらう依頼をしてください。私の立会いの元で、掘り起こしをしてみましょう。」

「分かりました。明日でも業者に相談してみます。それで日程が確定したら連絡いたします。」

「それで良いです。やってみましょう。」

「はい!」

私はそれで一旦 遠藤家を去った。

それから3日してから電話があった。

「井口先生・・・工事の可能日が出ましたので、先生のいらっしゃれる日をお決めください。」

そうして・・・工事日が決まった。
              
その日は午前10時に私も遠藤家に到着した。

「たまたま遠藤家と右側の家には、6メーター程の隙間があったので、小さいショベルカーを使うことが出来るので、助かった。

まず傾かないように補強工事がされた。

そうしてからいよいよショベルカーが、右側手前の角を彫り始めた。

ゴーウン・・・ゴーウン・・・

少量ずつだが、土が掘り返されていく・・・
                続く
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2007-06-07

お墓の復讐 10

お父さんを含めて、改めて仕事として依頼された私は、家の右側付近の状況を、詳しく霊視しはじめた。

「右側角に、3枚の板石が埋まっています。名前は読み取れませんが、間違いなく・・・・」

「3枚?三つものお墓が埋まっているのですか?」

「いえ・・・埋まっているのではなく、下敷きにされている・・・という表現になるんでしょうね。」

「この家の下敷き・・・何という事をしてくれたんだ・・・もしその為に息子が犠牲になったのだとしたら、悔やんでも悔やみきれないじゃないか!」

「このお墓の恨みと、幹夫さんは自分の右足の靴探しで、成仏できない状況だったのです。呪いの一種でしょう・・・・」

「それは怒るよな・・・お墓の人たちにしてみれば・・・人のうちの下敷きにされて・・・その上に建つうちに、繁栄なんか訪れる筈はないよな」

「弟さんの靴・・・それは見つかりました。探し物の右足の靴です。でも、これだけではまだ足りません。」
遠藤さんに有る程度乾いた靴を持ってきてもらい、みんなの前において、私は言った。
                  続く
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2007-06-05

お墓の復讐 9

「申し訳ありませんが・・・・ようはどこまで私の言葉を信じるかです。一角とはいえ掘り返すのです。もちろんお金も掛かりますし、大仕事にもなると思いますから・・・強要はしませんし、する気も有りません。ただ、私が呼ばれたからには、見えたことをお伝えする事が仕事です。」

私ははっきりと言った。
とても冷たいような発言に聞こえるかもしれないが、それだけは事実だからそう伝えるだけである。

「・・・・・・・」

お父さん、お母さん、遠藤さんの3人は、それぞれ無言でうつむいていた。

「遠藤さん・・・・それでは私の仕事はここまでです。仕事としては途中までなので、報酬の3分の1で結構です。」

私はそう言って席を立った。

「待って下さい!先生。」
遠藤さんが声を掛けてきた。

「あの・・・このままでは・・・家は?弟は?」

「それは私が今この場で答えなければいけないことですか?それは脅迫と同じになってしまうので、私には言えません。」

「分かりました・・・先生の言葉を信じます。」
突然お父さんが席を立ち上がってそう言った。

「お父さん・・・・・井口先生の言葉を信じてくれるの?」
遠藤さんがお父さんを見つめながら言った。

「だってな・・・幹夫の事を当てられた時点で、この人に頼らなければ、終わってしまうような気がするんだ・・・この家は。」

「お父さん・・・・」

「それに井口さんは、今回ここを立ち去れば、二度とここえは来てくれない気がする・・・」
お父さんは私の目を見ながらそう言った。
何の根拠だろうか・・・しかし、それはずばり当たっていた。
私には、二度目はないからだ・・・・
一度外れたタイミングは、簡単には戻らないからだ。

「お受けしても良いでしょうか?」
「はい!お願いします。」

                 続く
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2007-06-04

お墓の復讐 8

墓石を家の土台部分に使う・・・こんな事がはたしてあるのだろうか?

現代の戸建てでは、まずないと思います。ご安心下さい。
ただ昔は、コンクリ代も高かっただろうし、石や砂利で、出来るだけ土台を強くしようと考えた人が居たとしても不思議ではないのではないでしょうか。

「ではこの家の下に・・・掘り返せばそのお墓は確認できるのでしょうか?」

「出来ますよ・・・家を壊さずにそれが出来れば、確認してみたい物ですね。それしか・・・それしかこの家を救う方法はありません。」

「先生・・・その事と、弟の足の病気は、やはり関係が有るのでしょうか?」

「土台の四隅の部分の玄関から向かって右側部分の角に埋まっていますから、この家の大黒柱的な存在の男性か、跡継ぎの右足に霊障が出るのです。磐石を願った結果が、逆の結果を招いてしまうのです。悲しいかな愚かな行為です。」

「それでは右側の角地を掘り返せば・・・・」

「それを見つけ、手厚く供養しなければ、この家は消滅してしまうでしょう。」

「消滅・・・ですか・・・」

「失礼ですか、遠藤さんは結婚してますよね?」
「はい。」
「お子さんは?」
「いません・・・2回ほど流産をしてしまっています・・・・?先生!それもですか?」

「そういう事になりますね・・・・この家に携わる未来が消滅してしまうのです。」

「弟が死に、私に子供が出来なければ・・・確かにうちの遠藤家は、途絶えてしまいますね・・・恐ろしすぎる・・・・わ」

その時だった、玄関の方でお父さんお母さんが帰ってきた声がした。」

遠藤さんは私を紹介して、今話した内容を、手短に説明した。

「その話は・・・この家を建てる時に聞きました。
この家の前に、親が住んでいた時にそんな話があったみたいです。」

「話だけですか?」
「いえ・・・この家を建替える時、大工さんが埋まっている古い墓石を発見しまして・・・四隅の角にきっちり埋まっていたので、それを掘り出して、隣のお寺で供養してもらったのです・・・それが残っていたと?取り切れていなかったという事ですか?」

「右角だけですね・・・私が感じるのは。」

「その時の棟梁は、死んでしまっているので確認のとりようがないのですが・・・・」

                続く
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2007-06-03

お墓の復讐 7

靴の洗浄が終わった靴は、まだ新しさを取り戻した。

「軽く乾かしましょう・・・今日の天気なら直ぐに乾くでしょう。」

「はい!」

遠藤さんはベランダの日当たりの良いところに靴を干した。
そうしてから二人は、またお墓の眺めが良いあの部屋に戻った。

「さて・・・これで幹夫さんの供養の準備はOKですので、乾くのを待つ間、この家の土地、お墓との問題を霊視してみましょう。」

いよいよ本題に入ることになった。

「この家って、土台・・・つまり基礎工事に立会いはどなたかしましたか?」

「基礎工事ですか?確か父が・・・・」

「お父さんですか?」

「はい!その筈です。その基礎がなにか?」

「お父さんはお帰りになりますか?」

「もう直ぐ帰るはずですが・・・何か聞きたいのでしょうか?」

「ご一緒の時に確認したい事が・・・この家の下、基礎部分の柱あたりに、墓石が埋められています。
それも3つも・・・その上にこの家が建てられているようなのです。でも・・・これは偶然なのか?それとも意図的なのか・・・・それを確かめたいと思って・・・・」

「お墓が?他人様のでしょうか?」

「そう・・・赤の他人の墓石です。名前まで刻まれています。」

「ま・・・まさか、そんな事が有るものでしょうか?」

「昔の考えではあるようです。墓石を土台にしてた建てると安泰になる・・・なんて考える人たちもいたそうですから・・・」

「信じられない・・・・」
遠藤さんは絶句してしまった。

              続く
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2007-06-03

お墓の復讐 6

二人は1足の靴を探して、家の中を探索した。

「こちらのようですよ・・・強く感じますが」

私が指し示したのは、表にある車庫の方であった。

「そちらは車庫になってますから・・・まさかそんな所にはないと思いますよ?」

遠藤さんは場所的に可笑しいと反論してきました。
しかし私は、場所が何処であれ、感じた方向を示すだけなので、探す事を促しました。

「さあ・・・探してみましょう?」
「分かりました・・・一応。」

多少引っかかりの有る言葉が返ってきたが、私は気にする事はなかった。

なぜならば・・・私のいう事に、脈略や経過などは必要ないからです。

二人は車庫の中に入った。

「こちらの方向ですね・・・・」
私が右手の平をレーダー代わりに向けた先には、交換用の車のタイヤが2本積まれていた。

そしてその横に小さな段ボール箱が無造作に置かれていた。

「この箱?なに・・・・これ・」
遠藤さんはそう言うとその段ボール箱の中を覗いた。

「サッカーボールだわ・・・幹夫が遊んでいた・・・あれ?これ・・・・薄汚れているけど・・・3本のラインの入ったスニーカー・・・これ?まさか これ?」

「そのようですね・・・少し見せて下さい。」
私は遠藤さんからその靴を受け取った。

「これは左足用・・・それに汚れていますが、履いた形跡ではなく、ただ・・・ここに置かれっぱなしのために汚れただけのようですね。」

「はい!失礼しました・・・先生」

「早速洗ってあげて下さい。」
「はい!今すぐに。でも母は何でこんな所へ」

「仕方ありませんよ。使わない左足の分でしたから・・・捨てなかっただけ感謝ですよ。」

「分かりました・・・そうですね。こんな所じゃ分かるわけ有りませんでしたね。すぐに洗います。」

遠藤さんはそう言うとお風呂場へ向かった。その汚れた靴を持って・・・・
                  続く
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2007-06-02

お墓の復讐 5

幹夫君の部屋に案内された私は、集中してみた。
この部屋にあるはずだという遠藤さんの言葉を信じじて・・・・

「ないな・・・何にも感じない・・・」
「えっ?そんな筈は・・・・押入れの中とか・・」

そう言って遠藤さんは、半間ほどの押入れを空けて探してみた。

「ないわ・・・本当に。お母さん何処にやったのかしら?」

「幹夫君・・・聞こえるか?僕の声が・・・君の探している靴は、何処にあるのか分かるか?」

私は幹夫君に直接聞いてみることにした。

{この部屋は、一生懸命探してみたけど・・・無かったです・・・・}


「それでは何処にあるか、君は分かったかい?」

「先生・・・・」
僕のやり取りを怪訝に思った遠藤さんが、たまらず声を掛けてきた。

「可笑しくなっていないよ?安心して・・・今 幹夫君と直接話をしているから・・・幹夫君はこの部屋には無いといっているよ・・・」

「そうです・・・か。それでは幹夫は、そのあり場所を知っているのでしょうか?」

「本人も懸命に探したようだ・・・霊になれば自由に動けるからね・・・生きている時は片足で動けなかったけど・・・・」

「それでは今の幹夫は・・・両足があるのですか?」

「残念ながら・・・足はありません。しかしその肉体は生きている時だけ役立つ物ですから・・・今の彼には必要ありませんから・・・」

「・・・・・・・・」
「ただ彼は、その左足の靴に執着するがため、成仏できていません。もう片方を見つけてあげて初めて成仏させてあげられるのです。これも執着が生む呪縛です。」

「それでは早く見つけましょう 先生!!」
「うん・・・分かっている。」

「私・・・あの子には本当に悪い事を言ってしまったんです。先ほどのあの子の言葉・・・怒っていないよ・・・は、今の私には大変な救いの言葉だったんです。だから・・・今度は靴の事やあの子の成仏の事など、私が頑張らなければと思います。」

「分かりました。私も精一杯 努力しましょう」

ここまでの時間は、私がこの家を訪れてから、まだ30分が過ぎたくらいだったのです。
                続く
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2007-06-02

お墓の復讐 4

遠藤さんは答えを早急に求めてきた。
弟さんのことをずばり言われてしまって、少し冷静さをなくしてしまったようだ。

「ご・ごめんなさい」

自分のパニック状態に気がついたようだ。

「焦らないで下さい・・・弟さんの事から解決させていきましょう。」

「はい・・・・弟は今ここに居るのでしょうか?成仏していないのでしょうか?」

「成仏していないでしょう・・・貴方の夢にも現れているようです。」

「・・・・はい・・・何度か夢を見ました。靴・・・僕の靴って・・・・探し回っている弟が私に悲しそうな目で、訴えてくるんです。」

「やはり・・・・その時 遠藤さんはそのままにしていたんですか?」

「・・・・はい」
そう言ってうつむいてしまった。

「今は貴方を責めている訳ではありません。前向きな話をしましょう・・・いいですか?」

「分かりました。お願いします。」

「その欲しがっている・・・探している靴に見覚えはありますか?具体的に・・・」

「はい・・・母が買ってあげたものですから。白に水色の3本線の入ったスニーカーです。

「その時のその靴の、使わなかった片方は今何処にあるか分かりますか?もう捨ててしまっていますか?」

「・・・あるはずです。入院中に履いていた左足ようの靴は、今もとってあるし・・・・母が可愛そうだから両足分を揃えてあげようって言ってましたから・・・」

「そうですか・・・その時の靴でなければ駄目なのですよ・・・他の靴では納得しないのです。」

「先生!探してみます・・・今すぐに。」
遠藤さんは心を決めたようにソファーを立った。

「私も手伝いましょう・・・弟さんの名前は何と言いますか?」

「弟の名前は、幹夫といいます。遠藤 幹夫です」

「それじゃ 幹夫君。君の靴を探しに行くから、君も手伝ってくれ・・・」

井口はそう言ってソファーを立った。
遠藤さんはそんな言葉を言う私を、不思議そうな目でみつめていた。

「います・・・か?幹夫が?」

「貴方の事は怒っていないそうです。」
私の突然の一言で、遠藤さんの背中がピーンと伸びたのを感じた。

「それは・・・それは弟の言葉ですか?・・・幹夫の?」

「はい・・・怒ってないよ、姉さん・・・と。さあ そんな事より今は靴を探しましょう。」

二人は幹夫君が使っていた部屋を訪れた。
あいにくお母さんは外出中で、教えてもらえないので、自力で探す事になった。

                 続く
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2007-06-01

お墓の復讐 3

お墓の見える窓がある部屋のソファーに案内された。
この部屋にいるだけでお線香臭くなりそうなほど匂う。

私もお線香の匂いはもともと好きな方なんですが、
部屋に居ながらずっとでは・・・・少し考え物です。

「先生にお願いは・・・・この家は先ほどお話したように、境界線がとても曖昧だったので、ここの土地自体がとても心配だったんです。」

「うん・・・・そのようですね。私にも感じます。」

「か・・・感じるのですか?すでに???」

少し疑ったように遠藤さんは聞いて来た。

仕方ないだろう・・・疑われるのは慣れている。

「はい!ここは男性が病気や事故で、長生きできないでしょう。」

私はズバリといった。もちろん何の根拠もない答えだった。聞いてもいない段階である。

「男の人が・・・・ですか?」
はっきりしない返答が帰ってきたが、構わず話した。

「そうです・・・お父さんはご健在ですか?」
「はい・・・父は生きています。」
「じゃあ・・・先ほどから見える男性は・・・弟さんだな。」

「えっ?弟ですか?」

「ええ・・・先ほどからこう言っています。僕の片方の靴は何処にあるの?って・・・・」

「・・・・・・・・」

「ずばり言います。その男の人は、足をどうかされて、片足でいます。」

「・・・・・・・・・」
さらに沈黙する遠藤さん。

1〜2分たった頃だった・・・         突然わっと泣き出した遠藤さん・・・・

「どうですか?心当たりは?」
少したってから問いかける。

「ごめんなさい・・・・余りの驚きで・・・」

「それでは?」
「はい!弟が18歳で亡くなりました。」

「やはり弟さんが・・・・」

「先生にはまだ何も話していない筈なのに・・・と気が動転してしまいまして・・・・」

「片方の靴を探していますが、それも?」

「はい・・・実は、弟は悪性の骨肉腫で、右足を切断までしたんです。でも・・・転移が思いのほか早くて・・・・その甲斐なく死にました。」

「骨肉腫ですか・・・・それで靴を。」

「はい・・・病院に居る時は、片足分しか必要としなかった物で・・・片側は家に持ち帰っていたんですよ。」

「それで探しているんだな。」
「はい!そうだと思います。

「入院中 口癖でした・・・もう片方の靴を見たいな〜って。」

「そうか・・・・それが未練で・・・・」

「その事もこの家と・・・この土地と関係するのでしょうか?」

「まあ待って下さい!」
私は焦る 遠藤さんをたしなめた。
               続く                
Posted by kiyoman at 20:36:07Comments(0)TrackBack(0)
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