2007-07-30
足首を握りしめる「手」 29
本日はこの29 のほかに28も載せましたので、そちらを先にご覧ください。
大きくため息をつく龍門氏
「井口さん・・・これきついですね?」
「ああ・・・悪意ある霊体を消し去るのは、半端な集中力じゃないからな・・・」
「井口さんはそれを2体もすでに消し去っている・・・大したもんだ・・・」
「おや?褒めてくれるのかな?」
「これでも意外と素直な方なんですよ。」
「なるほど・・・君は素直なんだ・・・」
「なんか引っかかる言い方ですね?」
「うん・・・引っかかって結構・・・」
「・・・・・・・・・・・」
私をじっと見つめたまま黙る龍門氏
「素直ついでに教えてくれ・・・なぜ君は徐霊を・・こいつらを消さなかった?」
「4対1ですから・・・勝てたとしても、こちらも無傷ではいられません。割が合いませんよ。」
「じゃあ・・・このママに憑依した奴を、君は知っててどうするつもりだった?」
「ママに1体ずつ憑依させて消すつもりでした。」
「なに?憑依される人間の体がどうなるか、君だって知っているだろ?」
「ええ・・・生命エネルギーが、どんどん奪われます・・・悪くすると死・・・または発狂するでしょう。」
「・・・・・・・・」
「僕が依頼された仕事は、この部屋の霊を消し去ることです。」
続く
2007-07-30
足首を握りしめる「手」 28
裂ぱの気合いを発する龍門氏・・・
龍門氏の目前で、床に落ちる霊体。
床の上をのたうちまわる・・・・
「これはエクソシスト?」
「そうです・・・私の場合は、カトリック系の能力です。そしてこれが聖水です。」
先ほど掛けた水は、聖水だったようだ。
「かなり力はあるようだな・・・でも、そろそろ楽にしてあげなよ。」
私はのたうち続ける霊体を指差しいった。
「この匂いもたまらないからな・・・」
「私の能力は、とどめ的な力は弱いのです。映画などで時間がかかってしまうのは、あながち 間違いじゃないんですよ」
「それなら私がやる・・・・」
そう言って、私はのたうつ霊体に右手を向けて、その手を一気に握りしめた。
それと同時に小さくなっていく霊体・・・
そして消えた・・・・
「ふー・・・・」
そう言ったのは、私より龍門氏が先だった。
続く
2007-07-29
足首を握りしめる「手」 27
すか私も馬鹿ではなかった。
ただ自分の除霊を、龍門くんに黙って見せるつもりはなかった。
正直 守りには役立つと思っていたが、この場で彼の実力が見れる事がベストだった。
あのぞんざいな口のきき方が、実力にうらずけされたものなのか、それとも口だけの男なのか・・・・
いま偶然にもその機会がやってきた。
龍門クンも自分に被害が及ぶ状況下では、動かざる得ないのであった。
また私のやっている事に、少し興奮したのと、力の顕示欲に駆られたのかもしれない。
どちらにしても、私には助かる展開だった。
一気に襲いかかる霊体・・・・
胸の前で十字を切った 龍門氏・・・
そしてその手に握られている小さな小瓶。
彼はその小瓶の蓋を急いで開け、向かってくる霊体に小瓶の中身をかけた!
龍門は、小瓶の中身をかけた後、両手を胸の前で組、指をしっかりと絡ませた。
まるで教会で懺悔するときのスタイルに似ている。
「ハッ!」
裂ぱくの気合いが、龍門クンの口から出た。
続く
2007-07-29
足首を握りしめる「手」 26
霊体の残り1体の、急激な方向変換は、私も予想外だったためついていけなかった。
これは霊能者として失敗でもあった。
斉藤さんとサキエママを目指して一直線に・・・
しかしそこには龍門氏が立ちはだかっていた。
「龍門クン!」
何が起こったのか見えないので分らないままでいる斉藤さん・・・
しかしさすがの龍門氏も動かざる得なかった。
「分っていますよ・・・これが井口さんの狙いでしょ?」
そういって少し笑いながらも、斉藤さんたちを守るように前へ出た。
「頼むぞ!!」
そう言って私も少し笑ったような気がした。
続く
2007-07-28
足首を握りしめる「手」 25
室温がどんどん上がっている・・・
「斉藤さん・・・少しだけ我慢をしてください。」
「分りました・・・井口さんがそう言うのであれば、悪い意味ではない事だと思いますので。」
「井口さん・・・この蒸し暑さは井口さんが?」
「悪い・・・龍門クン。今は手が離せないので、質問は後に願いたい。」
私はさらに両掌に集中して念気を放出した。
サキエママは着物を着ているのに、先ほどから汗ひとつかいていない・・・
やはり間違いなく憑依しているのだろう。
その時中を走り回っていた霊体のうち1体が、話をしている私に唐突に向かってきた。
「あぶね〜!」
今度は私の右肩にぶつかってきた。
凄い衝撃だった。
思わず片膝をつく私に、もう1体が向かってきた。
その霊体の顔の前に、とっさに開いた右手をかざした。
「ギキーッ!!お・おのれ・・・」
今度は部屋の天井に緑色のシミが広がった。
そして臭い匂いとともに消えた。
何とか間に合った。
少し怖かった・・・そして焦った。
相手が3体にもなると、やはりやっかいだ。
「残りの奴は?」
私は最後の1体を探した。私の右肩に激突
した奴だ。
「井口さん!!こっちです!」
龍門氏の叫びで、そちらに気を向けた私は、今にも斉藤さんにぶつかるかと言う瞬間の霊体をみた。
「龍門クン!!」
思わずその横に立つ龍門氏に叫んでいた。
「分っています!」
続く
2007-07-27
足首を握りしめる「手」 24
1体は始末したから、残るは2体のいま目の前に漂う霊・・・それからママの中に憑依した1体。
「先生!!今のは何ですか?パッと現われて、シューって消えた液体は・・・何も見えなかったのに、先生に気合の声と同時に・・・それにあの匂い・・・この部屋中がまだあの匂いだ・・・・」
「斉藤さん・・・今のは井口さんが仕留めた霊体の末路ですよ・・・それにしても素早いな・・・」
龍門クンが斉藤さんに説明をしてくれていた。
「確かに素早いよな・・・こいつらは」
「いえ・・・私が言っているのは、先生の勝負がですよ。普通では相当危険な相手なのに、1体とはいえ、あっという間に始末してしまいました・・・その事を言ったつもりです。」
「龍門クン・・・お褒めいただいたついでに、もう一つお願いを聞いてくれ。」
「何でしょうか?」
「君は知っていると思うけど、サキエママに憑依している霊に、私が不意打ちを食らわないように、封じていてくれないか?」
「・・・・・・・・・・」
「君にはその力はあるはずだ。龍門クン」
「分りました。今回はサービスです」
「うん・・・頼む。」
今度は私は両手を大きく広げて、手の平を上に向けた、そして両目を静かに閉じた。
「破・・・・・・」
この時の私のイメージは、手のひらから上に光のオーラを集中させて立ち昇らせているのであった。
「先生・・・・物凄く暑くなってきたんですが・・・急激に。」
斉藤さんがワイシャツの襟を広げながら言った。
続く
2007-07-26
足首を握りしめる「手」23
私の挑発に、今にも飛びかかってきそうな勢いだ。
「来い!!」
胸前に両掌を広げて伸ばした体制で、裂ぱくの気合いを発した!
その言葉に押されたように1体の霊体が襲いかかってきた。
「ギーッ」
「破っ!!」
霊体が自分に当たる瞬間に、両の手のひらを握った。
その時何も見えないはずの空間から、勢いよく壁にぶち当たる緑色のジェル状の物体
そして何とも言えない臭気が襲ってきて、わずかな時間でそれも消えた・・・
斉藤さんの目から見たらこういう状況だったと思う。
もちろん私には、私の握ったこぶしを境に真っ二つに割れて壁にぶち当たる光景が見えていた。
「これで1体は消えた・・・」
残る奴らは・・・慎重になったようだ。
続く
2007-07-26
足首を握りしめる「手」 22
「さあ・・準備はできた。しかし・・・凄い力だ。」
私はあらためて自分の足首につけられた、くっきりとした手形をみた。
鮮明に5本の指の址がつけられていた。
その間にも部屋の中をうごめく緑色の霊体たち・・・
霊体と言うより、その姿は魔物に近いだろう。
この状況も、斉藤さんやママには何も見えないことを考えると、本当に厄介な仕事だ。
しかし 斉藤さんやママの事は、さすがに龍門クンでも守ってくれているから安心だし、その龍門クンの動きも、斉藤さんの目があるから、抑えられている。
一番確かな状況なのかもしれない。
「さあ・・・かかってきなさい。」
私の長髪の言葉に、真っ赤な口から、怒気の色が見えるのではないかと思えるくらいの、熱い呼気が吹きつけられた。
「ガ―ガッ・・・グッグー・・・」
「気に食わないか?そんなに私が・・・」
さらに挑発した。
続く
2007-07-25
足首を握りしめる「手」 21
龍門の食塩情報を聞いて私は確認の失敗を痛感した。
「なに?まずいぞ!こちらを意識した動きになってしまったか・・・・」
部屋の真ん中に立つ私の、右足首を急に何者かが握った。
思い切り前方にひかれた事により、勢いよく尻もちをつく私
「龍門クン・・・斉藤さんとママを守っていてくれ!」
「分りました。こちらは任せてください」
龍門氏にうなずきながら私は、そのまま結跏趺坐(けっかふざ)の姿勢をとった。
自分の周りに張りめぐらされる結界
「●◎○▽$・・・#&!¥・:@」
念気を最大限まで引き上げる。
「井口さん!!大丈夫ですか?!」
叫ぶ斉藤さんの声には反応せず、一心に念気を高める。
「さあ・・・準備は整った・・・・」
私はゆっくり立ち上がった。
続く
2007-07-25
足首を握りしめる「手」 20
私は受け取った塩を、うごめく緑色の霊体に向って投げつけた。
その時だった・・・通常なら何かしらのダメージを与えられるはずの塩に対して、憎悪むき出しの表情で私に襲いかかってきた。
わずかに私の顔の右側をかすめて通り過ぎた。
私はわずかに左に首をかしげて避けたつもりが、右頬が裂けてしまっていた。
斉藤さんやサキエママには、霊体の姿が見えないので、私の惨状は何かのマジックを見ているような驚きの表情を浮かべるしかなかったようだ。
ただ一人龍門氏を除いて。
その光景をみた龍門氏は、先ほど斉藤さんが手渡した塩の袋を確認して
「井口さん!やばいです!!これは粗塩しゃないです。ただの食塩です!!」
普通の人にしてみれば、粗塩と食塩での違いなどないように思われるかもしれませんが、徐霊に使ううえでは、まったくの別物なのです。
粗塩でなければダメージを与えるどころか、ただこちらの攻撃意識を見せるだけの敵対行為にしか見えないのです。
つまり・・・怒らせるだけなのです。
続く
2007-07-24
足首を握りしめる「手」 19
緊張が走る空気・・・
あの龍門でさえ緊張するらしい。
「ここだな・・・ここにいる。」
「井口先生・・・大丈夫でしょうか?」
「斉藤さん、ママを連れてさがっていてください。」
「はい!」
そう言って斉藤さんは、サキエママの肩を抑えるようにしてリビングとの境まで下がった。
「1・・・2・・・3・・・全部で3体か・・・それにママの中にもう1体・・・合計で4体を相手にするのか?龍門クン・・・君は1体は始末したのか?」
「すみません・・・1体も始末していません。」
思わず私は龍門の顔を見つめてしまった。
「そうか・・・では警戒だけさせてしまった訳か・・・この怒りを感じる気はそのためか・・・」
私の目の前を、不可視の緑色のスライム状の霊体が飛び交っていた。
「斉藤さん・・・粗塩ありますか?」
「粗塩ですか?どうだろう・・・塩ならありますが・・・はい。」
私はこの時、霊体に気を向けるあまり、大変な失敗をしてしまった事に、まだ気が付いていなかった。
続く
2007-07-24
足首を握りしめる「手」 19
緊張が走る空気・・・
あの龍門でさえ緊張するらしい。
「ここだな・・・ここにいる。」
「井口先生・・・大丈夫でしょうか?」
「斉藤さん、ママを連れてさがっていてください。」
「はい!」
そう言って斉藤さんは、サキエママの肩を抑えるようにしてリビングとの境まで下がった。
「1・・・2・・・3・・・全部で3体か・・・それにママの中にもう1体・・・合計で4体を相手にするのか?龍門クン・・・君は1体は始末したのか?」
「すみません・・・1体も始末していません。」
思わず私は龍門の顔を見つめてしまった。
「そうか・・・では警戒だけさせてしまった訳か・・・この怒りを感じる気はそのためか・・・」
私の目の前を、不可視の緑色のスライム状の霊体が飛び交っていた。
「斉藤さん・・・粗塩ありますか?」
「粗塩ですか?どうだろう・・・塩ならありますが・・・はい。」
私はこの時、霊体に気を向けるあまり、大変な失敗をしてしまった事に、まだ気が付いていなかった。
続く
「正直言います・・・1体も始末できていません・・・すみません。」
私は思わず龍門の顔をみつめてしまx
2007-07-23
足首を握りしめる「手」 18
「井口さんもきつい事をおっしゃる。」
「私はきつい事など言ってはいない。本当にそう思っただけだ・・・」
そう言って私は靴を脱いで上がるべきかどうな悩んだ・・・
それを見て察した斉藤さんが言った。
「井口さん・・・かまいませんよ。靴を履いたまま上がってください。」
「そうします・・・失礼しまう。」
土足のまま上がることに抵抗を感じたが、いざという場合の為に、今は許してもらおう。
斉藤さんも龍門氏もサキエママも、みな土足のまま上がった。
部屋の造りは2DK
まず目に飛び込んできたのがリビングだった。
私は用心深く部屋を見渡した。
女性たちが使っている部屋と言う割には、さっぱりした部屋だった。
「リビングには気配はないな・・・」
私はそう言って次の部屋に移動した。
そこはただ部屋の中にドレッサーが一つと、姿見のような大きな鏡が置かれていた。
「ここには布団をひいて女の子たちが寝ています。」
斉藤さんが説明してくれた。
「龍門クン・・・ここか?」
私は感じる気に、異様なものを感じた。
「そうです・・・」
龍門も神妙な顔つきに変わっていた。
続く
2007-07-23
足首を握りしめる「手」 17
きっぱりと言い切る私に、斉藤マネージャーはびっくりしたように私に言った。
「井口さん!本当にいいのですか?私はこの龍門さんは信用出来ないのですが・・」
斉藤さんの心配はもっともだろう。
私も本来ならこのような決断はしないだろう。
しかし龍門という霊能者が、私には許せない気持ちが強かったので、他の方法で教えてあげることにしたのだった。
「斉藤さん・・・心配はいりませんよ。私はプロですから。さあ 行きましょう。鍵を開けてください。」
「はい!」
そういうと斉藤さんは部屋の鍵を開けた。
ドアを開けると同時に部屋の中からあふれ出す異様な臭気・・・まるで大型の獣を飼育している檻の中のような匂いだ。
隣で龍門氏が、無意識に顔をそむけた。
前に来た時に、この匂いを彼も感じたのだろう。今回はその時の記憶が、彼の顔をそむけさせたのだろう。
「斉藤さん・・・この匂いは分かりますか?」
「はい!だんだん強くなっているようです。」
「今日も女の子たちはここからお店に出勤したのですか?」
「いえ・・・龍門さんにせんじつみてもらった2日後に、女の子はほかの部屋に避難させました。」
「それはいい判断でしたね。なあ龍門クン?」
私は隣で顔を歪めている男に、皮肉をこめて言った。
続く
2007-07-22
足首を握りしめる「手」 15
「井口さん・・・本当によろしいんです?ママだってこんな感じだし。私は不安です。」
「斉藤さん、私が付いていますから大丈夫です。それにママにはどうやらこの部屋の中にいる者の気がいまだ影響しているようですから、この中には入ってもらってからの方が、何とかしやすいのです。」
「井口さんは、何とか出来るんですか?この中に蠢く奴らを・・・凄いな・・・」
龍門は大げさなアクションをつけて驚いて見せた。
どこまでも嫌味なやつだ。
「俺は君とは違う・・・」
「おや?私から俺に変わりましたね?」
「そうだ・・・戦闘態勢に変わりつつあるある・・・だから自分の中で人格変貌もおこる。強い井口に・・・・」
「人格変貌?自分の人格を自分で制御出来ると言う事か?」
「驚いていないで・・・龍門くんも行くぞ?自分の身だけは守ってくれ。君までては回らないからな!」
「わ・わかってますよ。」
「さあ・・・斉藤さん行きますよ。ママから目と手を放さないでください。」
続く
2007-07-22
足首を握りしめる「手」 14
本日は復帰として12・13・14話と3本立てです。
「私と龍門くんとでは、物の考え方が根本的に違うようだな。」
「おやおや・・・井口さんも報酬で食べているんですよね?そんなきれい事、言って良いんですか?」
「ご心配なく・・・私はサラリーマンを本業としているので、こちらはバイトだ」
「・・・・・・・・・・・・」
龍門は、私の返したサラリーマンと言う言葉に、親指の爪を噛みながら「チッ!」と言う顔で横を向いた。
「井口さん・・・そろそろ行きましょう。龍門さんはお引き取りください。」
斉藤マネージャーは、きっぱりと言った。
「サキエママを守らなければいけませんからね。私の大事な依頼者を守らねば・・」
「君という男は・・・・・失礼すぎるぞ」
斉藤さんが珍しく声を荒げた。
「斉藤さん・・・ここはママにも龍門さんにもご同席してもらいましょう。」
私は出し抜けにそう言った。
一番驚いたのは龍門だっただろう。
続く
2007-07-21
足首を握りしめる「手」 13
私の右腕に走るエネルギー
「ほう・・・龍門慎二くん・・・これは私への挑戦か?それとも脅しか?」
私に送られた、敵意むき出しの攻撃的な気
であった。
「まさか〜やだな・・・井口さんに脅しなどかけたりしませんよ。そんな失礼なことしたりしませんよ。ただ・・・僕の力を少し知ってもらいたいと思いましてね。」
「それが私の質問への答えか?」
「一つだけお教えします。この部屋の中にいるものは、実体化が可能なほどの瘴気の集合体です。もちろん物理的な現象も可能なレベルの強い霊たちです。」
「霊・・・たち?複数形か?」
「そう言うことですね・・・なかなか手ごわいと思いますよ。」
「だから君は逃げたのか?途中で・・・」
「やめてくださいよ・・・そんな言い方。徐々に解決していくのが私のやり方ですから・・・・」
「徐々にか・・・そのあいだ依頼者は苦しみ続ける訳になる・・・それも承知か?」
「私の飯の種です・・・・」
クールな物の考え方をする霊能者だ。
しかし・・・私の考え方にはそぐわないようなタイプの霊能者のようだ。
続く
2007-07-21
足首を握りしめる「手」 12
「拝見?君は何を考えているんだ?」
「良いじゃないですか?私は井口さんのファンなんですから・・・それとも、こんな若輩者に、見られるのが心配なのですか?」
龍門は、信じられない提案を簡単に口に出してくる・・・頭がおかしいのか?
それか相当自信がるのか。
「君に見られたから言って、困る事はなにもない・・しかし、私もプロだからな。
好き好んで人に見せる気もしない。君もそうじゃないのか?」
「人じゃなく・・・同業者に?でしょう。」
「その通りだ・・・ひとつ君に聞きたい。君はこの部屋で何を見た?そして何をした?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「自分の事は秘密主義か・・・・」
「まあまあ・・・井口さんそんな冷たい事を言わないでくださいよ。」
龍門はそう言って、私の右腕をさりげなく触ってきた。
「・・・・・・・ほう。」
私は右腕に強いエネルギーを感じた。
2007-07-21
7月21日から占い再開します。
みなさん お待たせしました。
7月21日から、すべて再開いたします。
再登録完了いたしましたので・・・
ご迷惑お掛けいたしました。
ブログも再開いたします。
お楽しみに!
2007-07-20
ご無沙汰していました!
やっと新しいパソコン環境が出来ました。
ブログはもう少しお待ちください。
元気に復活です!!
2007-07-10
緊急のお知らせ
この度 私は移転により、通信設備の都合で、アドレスが変わってしまいます。
メドは7月 23日頃になりますので、お待ち下さい。
緊急の場合は 下記携帯の方へ
psychic.iguchi0327@ezweb.ne.jp
です。
多少お休みしてしまいますが、お待ち下さい。笑
よろしくお願いします。
また それ以前にご依頼を受けている方は、そのまま依頼を実行しますのでご安心下さい。
なお あくまでも携帯アドレスは、緊急なので、開通後はお控え下さい。
2007-07-09
足首を握り締める「手」 11
私の事を知っているような口っぷりだった。
「井口さんの事は、本の恐怖体験 霊能者は語るなどで読みました。だから私の方の予備知識はばっちりです。」
見たところ26歳か27歳くらいの年齢に見える。
「それで・・・今日は何をしにここへわざわざ来られたのですか?龍門さんもお忙しい筈でしょう?」
「忙しいとか忙しくないとかの問題ではないのです。井口さんもそうしているでしょう?同業者の行った除霊には、途中から手を出さないと・・・」
「それは同じ案件に対して、改めて依頼が来た場合には私は動く・・・」
「それは失敗と認められたら・・・という意味ですか?」
「選択権はあくまでも依頼者にある・・・違うかね?龍門さん。」
「それはそうですけど、こちらも命を賭けているので、安易な方向変換は失礼だと思うんですが。」
「だから・・・今度の依頼者は斉藤マネージャーだ。文句あるかな?」
「・・・・・・・そうなんですか・・・ママはそれでも良いのですか?」
龍門は、ポカンと夢見顔のままこう答えた。
「私はどっちでも 構いやしませんよ・・・」
「チッ!・・・・それじゃあ 今日井口さんの除霊を拝見させて下さい」
2007-07-08
足首を握り締める「手」 10
本日は 9・10の連続です・・・お見逃さないように。
「ママは何故 龍門さんをお呼びしたんですか?今日は井口さんをお呼びする事は、ママも同意していたじゃないですか?」
斉藤さんのいう事はもっともだった。
「私は・・・ただ井口さんをお呼びしたのよ・・・と言っただけよ。それが何か?」
「お呼びしたって・・・わざわざ電話したわけですよね?なんでですか・・・・」
「まあまあ・・・斉藤さんもそんなに興奮しないで下さい。貴方と私は相性が悪いようだな。」
悪びれずそう言う龍門氏であった。
「龍門さん・・・今日の貴方の訪問理由は?」
私は龍門氏を見ながら問いただしてみた。
「初めまして・・・井口さんのお名前は聞いております。光栄ですね・・・今日は井口さんの能力を拝見したくてこうして出向きました。お邪魔ですか?」
「ここは前回 貴方が負かされた仕事場だ。しかし今日 私は斉藤さんに依頼されて 初めて来た仕事場だ・・・見学者としては嬉しくないがね。」
「おやおや・・・井口さんらしくない。同業者に見られることがそんなにお嫌ですか?」
どうも人を喰ったような物言いをする男のようだ。
黒のスーツに、グレイのワイシャツ・・・少し悪趣味なのではないかと思う出で立ちであった。
続く
2007-07-08
足首を握り締める「手」 9
説明を始めた斉藤マネージャー
「この部屋に住む女の子達・・・それも一人や二人じゃない女の子達が、直ぐに気味悪がって出て行ってしまうんです。はじめは私達の耳にも入ってこなかったんですが・・・・次第に出るときに(あの部屋変ですよ?何かがいて・・・私の足を引っ張るんです。それも連日・・・気持ち悪いし怖すぎて住む事が出来ません。)と言って・・・今は4人の女の子が寮として使っていますが、その子たちもみんな・・・同じ事を言います。中にはくっきりと足首に指型をつけてくる子もいます。」
「それで私や龍門氏に依頼を?」
「そうです・・・この部屋を出る子は、すぐに店も辞めて言ってしまうんで、困るんです。」
「それでは龍門氏ももちろんその原因の者をどかしたわけですよね?」
「あの人はそう言いました・・・しかし 立ち会った私には、何か違うような感じがしたんです。」
「その今も住んでいる4人の女の子達の評価はどうなのですか?」
「はい・・・そこなんですが・・・前は足だけだったのが、最近はのしかかられて怖いと言っています。」
「霊が動きを活発にして来たという事ですか。」
「そういう事だと思います。ですから私は、この部屋の変なものは、ぜんぜん払われていないと思っています。」
「・・・・・・・そうか・・・」
腕組みして考えている私を、後ろから不意に声を掛けてくる男がいた。
「これはこれは・・・井口さんじゃないですか?」
「貴方は?」
私の名を呼ぶ男に、見覚えは無かった。
「あっ!龍門さん・・・来てくれましたか?」
「斉藤さん・・・これは?」
「私は呼んでおりません・・・まさか ママ?ママがご連絡をしたのですか?」
斉藤さんと私の視線を受けて、サキエママはボーッとした表情のまま
「はい・・・先ほど私が連絡しました。井口先生もこれから来るって・・・・」
「なぜ・・・なぜママは勝手な事をするんですか!」
斉藤マネージャーもさすがに声を荒げて言った。
続く
2007-07-07
足首を握り締める「手」 8
部屋の前で待つ我々のもとへ、サキエママが程なく到着した。
「ママ・・・お体は大丈夫ですか?」
「はい・・・まだ めまいのような症状は起きますが何とか・・・先日は・・・申し訳ございませんでした。」
「いえ・・・私はああいう場面には慣れっこですから・・・失礼に気がめいっていたら、きりがありませんから・・・」
私のきつい一言にも、今のママは反論する元気がないようだ。
「本当に申し訳ございません。」
そう言って深く頭を下げた。先日は着物姿だったが、今日はラフな普段着を見につけているせいで、地味に見える・・・それとも憔悴しきっているためか、老けて見える。
「一言 教えて下さい。龍門氏に何を依頼して、何をしてもらったのかを・・・・」
「それは私からご説明しましょう。」
斉藤マネージャーが、今のも倒れそうなママを見かねて、代わりに説明を始めた。」
続く
2007-07-06
足首を握り締める「手」 7
エレベーターを降りた私は、その階にある5つの部屋の中から、異様な黒い気を漂わせている部屋が目に入った。
「斉藤さん・・・あの部屋ですね?」
私は、103号室と書いてある部屋を指差した。
都会のマンションなどでは、表札など書いていない部屋が多くある。
この部屋も同じように、目印になるような物は何も記されていない・・・
しかし私には、最も分かりやすい目印がついていた
「その通りです・・・井口先生。」
「かなりな物ですね・・・この漏れ具合から察すると・・・」
「そうですね・・・かなりな物だと思います。」
斉藤マネージャーは、私の口調を真似て笑顔で言った。かなり度胸が据わっているのだろう・・・
「私は井口さんを信頼しています。ですからこうやって安心しています。しかし・・・足はこの通り 震えていますし・・・鳥肌だらけです。」
鳥肌だらけか・・・鳥肌だらけなら、私も一緒だ。
背中、お尻、腿辺りまで・・・悪寒が走っている。
「斉藤さん・・・あの中にママはいるという事ですか?」
もしそうならば、相当ヤバイ状況だ。
「ご安心下さい・・・さすがにあの中に一人では居られません。この一つ上の階にもう一部屋借りていまして、今はそこで待っています。電話で呼びますね。お待ち下さい・・・・」
数回の呼び出し音で、サキエママに繋がったようだ。
「今 井口先生と 部屋の前に到着しました。すぐに来て下さい。はい・・・」
続く
2007-07-05
足首を握り締める「手」 6
翌日 お店に顔を出した私を、出迎えたのは斉藤マネージャーだった。
私が行った時間は、21時を過ぎていたのでお店が開店していた。
にぎやかな声が、エレベーターホールまで聞こえてきていた。
「井口先生・・・わざわざありがとうございます」
「大丈夫です・・・それよりお話を聞くにはどうしたら良いでしょうか?」
「はい・・・ここは他のスタッフに任せて、私と場所を移動しましょう。そこが・・・問題の場所ですので・・・・」
「分かりました。行きましょう。」
2人は程なく店を後にした・・・
そのお店から歩いて6分くらいの場所に、その問題の場所が存在していた。
「このマンションです・・・ここはお店で働く子達の寮として借りているマンションなんです。」
「・・・・・・・・・・・」
私はマンションを下から見上げてつぶやいた。
「何だ?この真っ黒な気は・・・・」
「井口さんがそう言うのであれば、やはりあの龍門とか言う男は、結果を出せていないという事ですね?」
「うーん・・・中を見てみないと何とも言えないが、マンション自体を取り巻く瘴気は健在ですね」
「とにかく部屋に向かいましょう。もうみんなお店に出勤していますので、安心して下さい。それからすぐにサキエママもこちらに来ますので。」
斉藤マネージャーは、出来る限りの明るい笑顔を保っている。仕事柄なのか・・・たいしたものだ
「サキエママ・・・退院したんですか?」
「はい・・・今日の朝です。今日はもう一度自分の目で確かめたいと言い出しまして・・・井口先生には迷惑は掛けませんので、お許し下さい。」
「そうですか・・・退院できて何よりです。」
私も明るい笑顔で 返した。
「さあ・・・それでは」
そう言って斉藤さんはマンションの中へ入っていった。
その部屋は7Fにあった。
続く
2007-07-04
足首を握り締める「手」 5
「しかし・・・私はその龍門氏の尻拭いはしたくありませんからね。やはりお断りします。今なら内容もまだお聞きしていませんし・・・」
私はあくまでも突っぱねた。
「そこを何とか・・・今度は私からの依頼としてお願いしたいのです。」
「途中からの依頼は高いですが?それでも良いですか?」
「はい!私もそのつもりです。このままでは胡蝶蘭自体が駄目になってしまいますから・・・お願いします・・・・井口先生。」
「・・・・・分かりました。明日もう一度伺います。」
そういって電話を切った・・・
はたして依頼の除霊は完了したのか?ママの体に憑依していないのか?怪我の具合はどうなのか?
そして私が興味を持ったのが、龍門と言う男だった。
何と言ういい加減な仕事をする男だろう・・・
霊能者と言って、報酬だけ取っていく。
依頼者の事は二の次・・・・その精神・・・いったいどんな男なのか知りたくなった。
とにかく明日お店に行ってからだ・・・・
続く
2007-07-03
足首を握り締める「手」 4
それから数日が経ったある夜、1本の電話が掛かってきた。
「井口さんでしょうか?私は胡蝶蘭の 斉藤と申します。」
「はい・・・斉藤さん 先日は失礼しました」
「いえ・・・・失礼な事をしてしまったのはこちらの方です・・・恐縮です。」
「どうしました?龍門さんには連絡ついたのですか?」
龍門とは、私と同業者の霊能者だそうだ。
私は会った事はないのだが・・・
「はい!龍門さんが昨日来てくれたのですが・・・・・」
「それなら問題は解決したんじゃないですか?」
「それが・・・・」
「どうしたんですか?」
「除霊の最中に、ママが怪我をしまして・・・・」
「怪我?・・・ですか?」
「はい・・・私には見えなかったんですが、何かに衝突されたように、壁まで飛ばされてしまい・・・頭を強く打ってしまい・・・今 ○○病院に入院したんです・・・・」
「龍門と言う霊能者がいたんですよね?」
「はい・・・ただ、彼は私の仕事は除霊だけだと言って、帰ってしまったんです。」
「・・・・・・ママの精神状態はどうですか?」
私はこの時、怪我だけではなく、憑依を心配していた。
「精神状態と言われますと?そうですね・・・急に笑ったり、急に泣いたり・・・医者が言うには頭を強く打ったことによるショック症状だろうって言われましたが・・・・」
「そうですか・・・斉藤さん・・・冷たいようですが、龍門さんに再度お願いしてみた方が良いですよ。私は途中から絡めない・・・これは彼の仕事ですから・・・・」
「井口さん!そこを何とか・・・見てもらえませんか?」
「斉藤さんも変だと思っているのですか?」
「はい・・・むしろ悪い事になっているような気がしてしょうがないのです・・・」
続く
2007-07-02
足首を握り締める「手」 3
「申し訳ございません・・・でも、先生に帰られては・・・我々も早く解決したいのです。」
「それはそちらの問題です・・・私はまだ何も聞いていないし、受けてもいない問題です。あしからず」
私としては珍しく強硬な姿勢でした。何故だかはいまだに分かりませんが、何か関わりたくない不快感が有った事だけは事実であった。
「分かりました・・・井口さんがそこまでおっしゃるなら仕方ありませんわ・・・他の霊能者の先生にお頼みしてみます・・・この度は 遠い所ご足労頂き、大変ありがとうございました。」
ママはあっさりと引き下がった・・・
他の優秀な霊能者を知っているのだろう。
それならそれで助かる。
間に入って斉藤マネージャーはどうして良いものか戸惑っている。
「サキエママ!!まったく・・・頑固なんだから」
「斉藤さん・・・ママが知っている霊能者とは、貴方はご存知ですか?」
「あっ・・・はい。私は少し気に食わない男の人なんですが・・・龍門 慎二 というまだ若い方です」
「龍門慎二(リュウモン シンジ)?まだ若いのですか・・・でも腕は確かなのでしょう。同業者の批判は禁物ですから・・・斉藤さん・・・貴方には私の名刺をお渡ししておきます・・・貴方の依頼ならお受けしまうから、何かありましたらお電話下さい。くれぐれも・・・ママからの依頼ではなく、斉藤さんからの・・・ですからね」
そう言って私は名刺を手渡した。
そして私達はこのビルをあとにした・・・
続く
2007-07-02
足首を握り締める「手」 2
「ちょっと待って下さいよ!!先生・・・」
エレベーターホールで昇ってくるエレベーターを待つ私を、知人が呼び止めた。
「先生・・・やはり何かありますか?この店?」
「それはどうか・・・ただ 私は気の乗らない仕事はしませんから・・・選択権は私にあります。」
私のきっぱりした口調に 知人の里崎さんは無言になってしまった。
「井口さん!先ほどの失礼な言葉・・・悪意出の言葉ではなかったのです。ご気分を害されたのならば、非礼を詫びます。」
あとからマネージャーとママが追いかけてきて、ママが謝った。
「私は言葉に嫌気がさしたんじゃありません。貴方の横柄な態度に嫌気を感じただけです。」
続く
2007-07-01
足首を握り締める「手」
私はある知り合いを通じて、江東区にあるクラブ(飲み屋さんの方)のママを紹介されました。
私は知人に連れられてそのお店の開店まえに、お店に伺いました。
私自身 こういう仕事をしていると、このような相手からの依頼が結構あります。
お金と女性が絡むと、恨みやねたみなど、なかなか難しい話になってしまう事も多数あります。
ここの場合は、それとは多少違いましたので、私自身も興味があり、赴く事になったのです。
その違いとは・・・・・
「初めまして・・・井口清満です。」
私は丁寧に挨拶をした。
「えっ!普通の方ですよね?井口さんですか?てっきり凄い衣装を着た方が来ると思っていました。」
「普通で悪いですか?悪ければ帰りますが。」
私は失礼な物言いに、少し機嫌を悪くして無愛想に言った。
「すみません!ママ駄目ですよ・・・そんな失礼な事を言っては・・・」
横に立っていた男性が、慌ててフォローをして来た。
黒のベストを着た 中年の男性である。
「お許し下さい・・・私はこういう者です。よろしくお願いします。」
そう言って差し出した名刺には
(クラブ 胡蝶蘭) マネージャー 斉藤 圭介と書いてあった。
「私は 招かれなければ帰る・・・ただそれだけです。そちらのママさんは、私より 気 がお強そうですから、私の出る幕はありませんよ。」
私はそう言って、知人に「帰ろう」と言ったのです。
コレ自体 私としては珍しい事なので、同行の知人が慌てた・・・・
「先生!待って下さいよ〜。サキエママ!!駄目ですよ・・・すぐに謝って下さいよ。あの言い方は失礼ですから・・・格好は必要ないんだよ・・・井口先生は。まったく・・・・」
私はエレベーターホールまで、すでに引き上げていた。
何かを予感させる・・・そんな始まりだったような気がする。
続く