さて・・・人柱になり、怨嗟の心のみになってももがき続けるあの男に、正気を取り戻させて浄化出来るかだ・・・
正気にしてからでなければ、あの男を救った事にはならず、それは浄化ではなく除去・・・除霊になってしまう。
消すのではなく、上げる・・・。
「その通りじゃ、わしの望む事も・・・任せて良いようじゃな・・・お前の名はなんと言う?」
「井口清満と言います。」
「井口清満か・・・頼むぞ。あの男もこの家も。」
「あの男を助ける事が、この家を救う事になります。しかし・・・一つだけ問題があります。
この家には、祠に井戸があります。最終的にはそこにいる神を静めなければいけません。その時に力を・・・あなたの力をお貸しください。もともとこの屋敷の主だった貴方の力を・・・」
「・・・祠の神・・・井戸の神・・・か。手ごわいな・・・分かった、約束しよう。」
「それでは・・・掛かります。」
そう言ってくるりと背を向けた。
周りの空気がざわざわとしはじめた。
静かに胸の前で、3種類の印をすばやく結び、それを切る。
続く