「井口よ!この気塊は、源四郎が言っていた順番の主かも知れんぞ!」
清兵衛老人が、後ろに下がりながら私に想念を送ってきた。
「そのようですね。こんなにキツイとは思いませんでした。しかしどんなに強くても、これは神ではない・・・影響を受けただけの塊のはず!下がっていてください。そしてあの親子を庇ってあげていてください!」
「分かった・・・親子を庇うくらいはわしにも出来よう・・・この気の影響を受けぬように。」
老人が、目の前で起きている異様な空気の圧縮と、バチバチ音が現実に起きている箇所を凝視して、立ち尽くす親子の前に、見えない壁として立ち塞ぐ。
「恭空無光 真奇力存!」その言葉を3回唱え、自分の手を大きく前に突き出した。
漫画ではない漫画のような様子・・・
しかし現実に目の前の白い塊が、突然 親子の目にも見えるように姿を現し、時計回りと逆方向に急速に回転しながら、徐々に小さくなっていき、チッという音と共に消えた。
部屋の中・・・正式に言うと、ほぼ私の立ち位置は、この家に入ってきた玄関のほぼ近くまで戻っていたのだ。
ここまで後ずさりさせられてしまった訳です。
「急に明るくなって、重苦しい感じがしなくなったわ!」お母さんが答えた。
「うん!怖くないし 寒くない・・・消えた。」
お嬢さんもそう感じたのだろう。
「やれやれ・・・井口よ、やったな。これでこの家のラップ音は止むだろう。見事だったぞ。」
「はい・・・ありがとうございます。」腕を突き出したままの私を怪訝に思い、老人が尋ねてきた。
「どうしたのじゃ?その腕は・・・」
「少し痺れているだけです。感覚が失せてしまったようですが、時機に治ると思います。」
結構 やばいかもと思いながらも、腕をそっと下ろしてみた。
続く