「この家から、人を追い出すような声か・・・」
やはり怒りの神が、この土地からこの家の住人を追い出すつもりなのか。
後日談なのですが、このお母さんとお嬢さんは、この家で勉強が手に付かず、週のうち5日間は、東京のホテルで過ごし、お嬢さんもそこから学校に通っていたのです。
ですから、家に常時いるのはお主人と、ご主人のお母さんの2人きりだそうです。
そういう意味ではすでに、この家の半分の人をある意味追いさしに成功していたのかも知れません。
でもこの自縛化していた老婆と幼い女の子が開放されたと言う事は・・・
もう一緒にこの家族を脅かす必要が無くなったと言うことか?
「ところで名前を教えてもらえますか?お二人の?」
私は自縛霊化していた老婆と、幼い女の子に名前を聞いてみた。
「わしはみねじゃ・・・身寄りがなくて孤独じゃったから、死んだ事自体は後悔も怨みもなかった。それなのに・・・悪霊のようにされた・・・」
「あたしは、間宮 みち・・・8歳」
「みねさんにみちちゃんですね・・・もう大丈夫です。貴方達の長い苦しみももうすぐ終わります。」
「源四郎さんの事を、よく見ていたから分かっておる。だから信じようと思った。わしらにも何か役に立てる事がないかと・・・この子も賛成してくれてな・・・」
なんとも心強い味方たちであった。
「老人・・・お聞きになっていましたか?これで私の援軍は、貴方とこの2人の3人になりました。嬉しいですね。老人・・・ここからですよ。力と知恵を貸してくださいね。
「この2人がこう言ってくれているのに、この家の先祖のわしが、おめおめ逃げられるか・・・井口よ。こちらからも頼むぞ!」
老人が、力強く言った。