「ご老人 ありがとうございます。さてそれでは皆さん 祠に行きましょうか・・・」
もちろんこの時の言葉は、老人と老婆と幼い女の子に言いました。
「○○さん・・・それでは祠に案内して下さい。」
「はい 分かりました。こちらです・・・」
我々はその庭の一部にある祠に向かった。
そこに祠があった。
よくあるお稲荷様とは違い、白い鳥居があるかなり立派な祠だった。
神社より少し小さいが、良くある庭の祠とは、あきらかに違う。
これくらいの祠になると、しっかりと神様入れの儀式もされているだろう。
そこにあった祠は、明らかに傾いでいた。
向かって右側の地面が沈み、石垣が少し涼んでしまっていて、右に倒れ掛かっていた。
「これはいつ頃から傾いてしまっているんですか?」
「はい・・・2005年の終わり頃からなんですが・・・突然地面の沈下が始まってしまって。」
「ご主人はこれを見ても?」
「はい・・・無信仰心の男なので、大丈夫だ!の一言で・・・やはり先ほどからの源四郎さんの話と一致します。kのお屋敷を守るには、適していない人間のように思います。」
「やはり・・・そこまで信仰心がなかったのか・・・そんな事では我々の墓も荒れ果ててしまうわけだ。」
老人が嘆いた・・・
「この祠の傾いでいる方は、蔵ですね。蔵の壁にもう少しで寄りかかってしまう程ですね。」
蔵の壁とは、僅かに10cmほどであった。
「蔵とは・・・その家の資産の大きさの象徴だ・・・その蔵を、まるで押しつぶしように祠が・・・このまま行けば。この家は終わるぞ。」
老人が独り言のように言った。
「ご主人が理解者じゃないのが、一番のネックですね。これでは簡単に神様に詫びるだけでは済まないでしょう・・・直さなければ・・・」
私はお母さんに向かって聞くように話しかけた。
続く