「この家に祭られていて、荒廃して行くさまは見たくは無い・・・しかしこの家の当主は、まったく大切な物が分かっていないようだ。血筋とは、何代も続けるものではないのだな。良ければよいでこの家の金に人が群がり、人の心が荒廃した。その中で、あの書生のような惨い犠牲者まで出し・・・、この家が悪くなると、それと同時に祠や井戸が荒廃していく。人間とは勝手なものだ」
老人が土下座をしたままの姿勢で
「はい・・・その通りでございます。しかしお言葉を返すようですが、次の当主には心配がないと、私は判断しました。どうかその事をお汲み取り下さい」
「・・・・・井口か?」
私に声を掛けて来た。
「はい。私も掛けてみたいと思いました。ですからこんなだいそれた試みを・・・」
「我々は、何も求めん・・・ただ祭ってくれた者達の、幸せな顔が見たいのじゃ・・・分かった。早く祠を直せ!それがまずは約束だ・・・それの完成が分かった段階で、私は決める。良いな・・・」
「それでは今回のお怒りは?」
「とりあえず祠の改修まで待とうぞ」
「必ず 守ります!」そこにいた一同が、声を揃えて言っていた。
シュパッ・・・という感じで、周りの空気が変わり、目の前の祠は、なんら変わらずに建っていた。
後日談
その祠を立て直す事に渋々納得した主人だが、その工事事態の課程でも、いろいろの問題ごとがあった。
土台の地面が何故か 一部だけ盛り土をしても窪んでしまい、また傾いてしまうかもしてないと言う事で、工事が一度ストップしました。
最終的には家を建てるのと同じように、基礎工事から掛かる事で、解決しましたが、言葉には「磐石」という言葉がありますが、この家の場合、この地面の磐石さが、ことごとく危うかったのでしょう。
今年この次の当主になるためのお嬢さんは、とても優秀な成績で、ある優秀な中学校に受かりました。
きっと私の目を意識してくれながら、この家を守っていってくれる事でしょう。
そう信じて・・・
長い話をお読みくださいまして ありがとうご ざいます。次回はまた、霊の話の戻った内容で お伝えしたいと思います。