ここはとある葬議場です。
大きさはさほどではなく、何処にでもある規模の葬議場。
すでに棺が運び込まれ、その棺の周りを生花が飾られている。
これからお通夜が行われようとしている状況です。
時間はと・・・時計を見るとPM6:55を針がさしていた。
外にはチラホラ焼香のお客様たちが集まり始めている。
ここでは私は見えない状況だと思って下さい。
そしてもちろん貴方たちもです。
さて・・・私たちはお焼香客を見に来たのでありませんから、視線を変えましょう。
祭壇の上の写真を良くご覧ください。
写真の・・・そう上部少し右側を・・・
よく目を凝らして・・・いえ・・・力を抜いてボヤカセた感じで見た方がいいですね。
少し見えてきましたか?
だいたい初めは、死者はこの位置にたちます。
ここで全体を見渡すのです。
自分のためのお通夜だとは、この段階ではよく飲み込めていません。
まだ自分が死んだ事自体納得できていない時機だから仕方ないのかも知れません。
「済みません。私が見えますか?」
私は唐突に話しかけて見ました。
続く