自宅に向かう車の中・・・
奥さんの話では、今現在もそこい居る。
その話が事実ならば、家族には危害を加えなくても、他人の私が訪問すれば、敵対的な感情が
爆発してもおかしくない・・・
いや・・・むしろ 霊になってしまった彼には、家族への愛以外の感情は、欠落してしまっている可能性もある・・・
むしろその方が多いかもしれない。
それにいつ家族にその霊としての心が、悪意に転換されてしまうかも知れない。
このままでは、まだ幼い子を抱えたこの奥さんに、
いずれそうせざる得ないであろう再婚も、出来ない程の拘束になってしまうだろう・・・
本人も成仏の道を歩まなければ、ただの悪霊に成り下がってしまう。
すべてに対しての良い方向のために、結果を導き出す為に、私が行かなければならない。
「先生・・・このお礼は?」
「今はまだ、私の力で役に立てるかどうか分かりませんから、後ほど・・・心配しなくても大丈夫ですよ。奥さんから高額な額を頂きませんから・・・」
「そろそろ着きますね?」
私が唐突に言うと驚いたように奥さんが言った。
「はい!次の信号の脇です」
そう答えた。
確かに住所的には、ある程度地理が分かれば言えるのでしょう。
しかし 私の場合は、対象に合わせてその感じる強弱で近いか遠いかを感じ分けるのです。
これは今まで、自分が霊相手に生き残ってくるために、危機回避能力として身に着けてきた、大事な感なのです。
あっという間にタクシーは一つのマンションの前で止まった。
続く