マンションの前でタクシーは止まった。
降り立ったのは、私と奥さんと、紹介者の男性。
この男性は亡くなったシェフの友人であった。
一同がつばを飲み込んだ・・・
「さあ行きましょうか?徳丸さん(仮名)」
「はい・・・」
「あの・・・僕も行ったほうが良いでしょうか?」
このご主人の友達の男性(宮下さん)はかなり腰が引けてしまっていた。
「宮下さん・・・怖いでしょうが付いて来て下さい。貴方には徳丸さんの奥さんを守ってもらいたいんです。」
「ま・守るって・・・僕に出来るんでしょうか?」
宮下は当然過ぎる質問を投げかけてきた。
「大丈夫・・・徳丸さんのご主人は、邪魔な私だけを狙って来ますから、貴方方には基本時に危害は加えないでしょうから」
「基本的って?例外があるんですか?」
「そうですね・・・死後随分経っていますと、人としての記憶や感情が薄くなってきてしまいますから
そのパターンだと、見境がなくなるのです」
「・・・・・・そんな」
「大丈夫です。お子さんが怖がらずに居るようですので・・・奥さんや貴方の事は認識できる筈ですから」
私は笑いながら言った。
場違いな笑顔だったかもしれないが、今はコレしか出来ない・・・
「さあ、行きましょう。徳丸さん 案内して下さい」
そう言うと3人はエレベーターホールに向かった。
続く