金庫の中には一体何が・・・
「井口先生・・・こんな物が入っています。全部出して見ますね。」
そういって奥さんが取り出した物は・・・
「通帳ですね?コレは想像できましたが・・・奥さん見ていいですか?」
「はい!」
「金額的には・・・60万円。へそくりですか?」
「60万円・・・その額って・・・私が行きたいといっていたハワイの旅行金額では?」
「ハワイですか?そういう話は出ていたんですか?」
「はい・・・ずっと以前ですが・・・ただその時には、凄く掛かるねと言って、諦めたんです。
「それで・・・ご主人は黙って貯めていたんですかね?」
「先生・・・このパンフレットは・・・ハワイのです!」
そういった時、奥さんの手元から、パラパラッと落ちた物があった。
今年の夏休みに行く予定・・・驚くぞ!と書かれた行動予定や観光予定が、びっしり書き込まれていた。
「昨年の冬ですよね、亡くなったのは・・・」
「はい・・・そです。その時には主人はハワイ旅行の事を考えていたのですね?」
「そういう事になりますね。金額の事より、奥さんに伝えたかったのは、むしろこの驚かせられなくなった無念の方だったのかも知れませんね。」
私はそう言って、ご主人の方をみた。
ご主人は泣いていた・・・ボロボロと泣きながら、大きく何度もうなずいていた。
「あ・・・あなた。」
再び奥さんも泣き始めた。
こんな涙にあふれた霊視は珍しいのです。
悲しみが一杯の中で、私の表情は、こんな時どうしたらいいのだろうかと・・・頬を何かが伝わりながらも、考えてしまったのです。
続く