思わず釣られてしまう悲しき涙・・・
グッとこらえて、私は向き直った。
「奥さん・・・ご主人の写真を一緒に持って、お子さんとハワイに行って来たらどうですか?」
「今年の夏休み・・・あたりに行きます。
「うん・・・そうだもう宮下さんを部屋に呼び戻していいですよね?」
先ほど部屋から出てもらった宮下さんの事を思い出した。
部屋に入ってきた宮下さんに、事情を一通り話し終えた。
「そうでしたか・・・徳丸さんから聞いた事がありました。俺・・・海外って行った事無いんだって・・・本当はフランスとか行って、修行をかねて、三ツ星を食べ歩いてみたいんだけどな・・・でも、今は女房と子供に、思いっきり楽しんでもらえるような海外旅行に行きたくなってな・・・って」
「それがハワイだと聞いた事はありましたか?」
「ありますよ。一緒に帰る時に、よく旅行センターのパンフを手にとっていましたからね」
「やっぱり・・・奥さん、決まりですね。」
私はさっぱりとした笑みを浮かべて言い切った。
「・・・・」
奥さんも無言でうなずいた。
「これで話はつきましたね。さあ、これからは私とご主人の会話です。お仕事お仕事!」
少しお茶らけながら、二人に背を向けた。
背を向ける途中に私の顔は、それようの顔に変わっていた。
続く