「妻には幸せになってもらいたいのです。私はもう死んでしまい、妻の助けにもなれないし、小さい子供を育てながら生きていく事は、物凄く大変な事は知っています。だから・・・もし他の頼れる男が出てきても、俺を気にしなくていい・・・と伝えたかったんです。」
「それを奥さんに伝えても良いんですか?」
奥さんには私の声だけしか聞こえない。
「・・・・・・本当は嫌だ!でも・・・し・仕方ないじゃないか・・・クッ!」
「徳丸さん・・・分かりました。そうお伝えします。ただし、奥様の意思に任せましょう。その後のことは」
私は奥さんの方を見ずに、今ご主人が伝えて欲しいといった事を話した。
「奥さんの選択だし、今 その答えを出す必要はありませんから・・・」
とだけを付け足した。
すると・・・
「相変わらず馬鹿ね。フフッ・・・生前もよく言っていました。こんな俺みたいに家庭を顧みない男より、よっぽどお前を幸せにしてくれる男はいるはずだから・・・もし出来たら言えよな・・・とか良く言ってたんですよ。馬鹿なんだから。」
「確かに・・・俺の口癖か・・・でも今度ばかりは本当に・・・?」
私はご主人を手で制した。
「奥さんの答えに、貴方は従う義務があります。」
私はもう少し奥さんの言葉を聞かせたかったのである。
続く