「話を聞いてあげる・・・話なよ」
「おれはさ・・・駄目な奴なんだ。仕事もどじで物覚えが悪くって、営業成績も上がらず・・・彼女にも愛想をつかされて、他の男と二股掛けられた上にさようならされて・・・田舎には帰れないし・・・
実は首を吊ったのも、衝動的な勢いだったんだ。本当はそんな勇気も無いくせに・・・こんな時に限って勇気が出ちゃったんだな・・・いや?やけでやっちゃったんだ。後悔している・・・本当に後悔している。死にたくなんかなかったんだと思う。なのに・・・」
「死にたくなかったのに、死ぬってどんな感じか・・・と試すみたいな気持ちでやってみたら・・・」
私が後を復唱するように話すと
「そうなんだ・・・台から足がずれて・・・そして台が倒れて・・・もう遅かった。苦しかった・・・涙が物凄くあふれてきた。顔中血管だらけになった感じがした。血が吹く出してくるんじゃないかと思うくらいに・・・」
「そうか・・・じゃあ、今は本当に後悔しているんだな?死に切れずにここに居た訳だな?」
「そうだ・・・早く親父とお袋・・・それに兄ちゃんの顔を見たい。そして謝りたい。」
「大人しくあの世に上がれるか?」
「うん・・・上がりたい。もうこの世に未練は無い。こんな姿を親に見せたくないし・・・また泣かせてしまうから・・・このままでも良い。」
「あの世からでも親には謝れるさ・・・チャンスもあるはずだから・・・」
「うん・・・・おねがいできるの・・・か」
続く