「井口清満という霊能者の先生を知っているんだ。」
坂下のその一言が、みんなの絶望的状況を、一瞬で明るくしてくれたのだった。
「坂下は何でそんな人を知っているんだ?」
加藤は興味を持って聞いて来た。
「前に、知り合いの人が霊現象に悩まされていた時に、その先生にその場を除霊してもらったんだ。
その時に連絡先を聞いたんだけど・・・ただ・・」
「ただどうしたの?教えてよ坂下君」
宮部典子は必死な形相で聞いて来た。
「うん。言い憎いんだけど・・・その人も仕事で除霊などをやってくれているんで、お金が必要なんだ・・・それだけが・・・」
「そうだろうな・・・人の厄介ごとに首を突っ込むんだから、タダでやってくれるヤツなんかいやしないだろう。」
加藤は当然のことのように納得した。
「そうだよね。誰にでも出来る訳じゃない能力を使うんだから・・・当然有料よね。」
裕子も仕方ないという感じで言った。
「でも・・・坂下君、その人は本物なの?ほら、私達には見えないし分からないじゃない・・・だから口から出任せで・・・と言う事はないのかな?」
宮部典子が我々の不安を代表して聞いた。
「そう思うよな。僕の知っている限りその知り合いの家は、それまで悩まされ続けた霊障が消えたまま、平穏に今に至ってるようだった。」
坂下の説明に一同は黙ってしまった。
「・・・・・・・」
続く