「そんなはずは・・・あっ!確かにあれほどガチャガチャ回していたドアノブも、井口先生が携帯に電話をくれるほんの前に、ピタッとしずかになったな」
「そうね・・・本当に何事も無かったように」
裕子がドアノブの方を見ながら言った。
「そうか・・・そのタイミングで・・・僕が来た事を察知したか・・・・」
井口はそう言って窓の方に向かった。
先ほどの男が覗いた状態のままだったので、カーテンが開いた状態のままだった。
「この窓か・・・でも、手形も指紋残っていないよ?幻覚か・・・4人一緒に。」
井口はポツリと言った。
それを聞いていた宮部典子が強い口調で言った。
「幻覚なんかではありません!!4人とも見たんです・・・そして聞いたんです、あの声を・・・」
「分かっているよ・・・君達が嘘を言っていないのも知っているし、幻覚というのも、普通に言う幻覚とは違うんだ・・・それも分かっている。」
井口は出来る限り優しく言った。
「信じてくれますか?僕達を?」
「ああ・・・だからこんな時間でも来たんだろ?この時間は割増料金だぞ?あははは」
井口の笑い声に引きつっていた4人は、自然とこわばらせた顔を崩した。
「さて・・・この部屋の主は・・・君か?」
井口は裕子を指して言った。
「はい!河野裕子と言います。21歳です・・・」
緊張したのか歳まで自己紹介した。
「歳は良いのに・・・21歳か、若いな〜」
井口は少しおどけていった。
「さてさて・・・では河野裕子君の部屋に、アイツが二度と来れない様にしておかなければな・・」
そう言って井口は部屋の真ん中に胡坐をかいて座った。
続く