並べられた3つの墓石・・・
どれも古そうな墓石であった。
角も割れてしまっていて、今のような固い石ではなく、本当に昔のお墓の石のような脆さを感じた。
「これが・・・これが家の家の下に埋まっていたんですね。」
「いえ・・・その表現は適切では有りませんよ。この家の、下敷きにされていた・・・と言う方が正しいでしょう。」
「そうですね・・・この方達のお墓の上で、私達は知らずとは言え、生活をしていたんですものね。申し訳ない気持ちで一杯です。」
遠藤さんは、悲しい目をして3つの墓石を見つめていた。
「井口さん・・・このお墓・・・どうしたら良いものでしょうか?」
遠藤さんのお父さんが恐る恐る聞いて来た。
確かにどうしたらよいか・・・非常に悩む問題だった。
「隣のお寺で供養してもらいましょう。もう古いことでしょうから、仕方ないでしょう。事情を話して、供養を兼ねて、置いてもらいましょう。」
「はい・・・供養代は、今までのお詫びという事で、もちろん出させていただきます・・・しかし、お骨もこの家の下に埋まっているのじゃないかと、とても心配になっているんです。」
「それが・・・お骨はここにはありません。墓石だけをここに持ってきて埋めたようです。これなら怒りますよね・・・」
「お骨はないのですか・・・良かった。お骨まで下敷きにしていたのであれば、たまらなくなります。良かった・・・本当に良かった。」
そう言ってお父さんは、隣のお寺に事情を説明に、飛んでいった。
程なくして帰ってきたお父さん・・・・
「住職は分かってくれまして、直ぐに墓石を運んできてくれとの事です。監督に頼んで、運んでもらいます。」
「うん・・・早い方がいい・・・」
そして3つの墓石は、無事にお寺の中に運ばれて、端の方にだが、何とか立てて改めて置かれた。そして住職のお経と、お線香の煙に囲まれて、その魂は静まった。
「形がつきましたね・・・これからは私の出番です。」
そう言って、一同は遠藤さんに家に場所を移した。
続く