「幹夫君・・・良かったな。オートバイのプラモ買ってくれるとお父さんが約束してくれたぞ。さあ・・・そろそろこの世ともお別れしようか?楽になろうな?」
私は幹夫君に微笑みながら言った。
「はい・・・靴がはけて・・・嬉しかったです。もう思い残す事はありません。」
「皆さんもいいですか?
「はい・・・お願いします。」
「幹夫・・・さようなら・・・・」
「では・・・・・・・・・・・・???」
印を結んだ私は、何かの抵抗感を感じて、途中で止めた。
「先生?どうしたんですか?」
遠藤さんが慌てて聞いて来た。
「うん・・・何か 幕のようなものが張っていて、僕の呪文が邪魔されている。」
「邪魔を?お墓のせいですか?」
「うん・・・そうかもしれない。」
そう言って私と遠藤さんは、窓から隣のお寺を覗いた。
例の3つの墓石が見えるはずだからだ。
「先生!!あれ!」
「うむ・・・なんでこうなったんだ・・・直ぐに行ってみよう。」
この時の光景は・・・・
綺麗に並べられていた3つのお墓が、どういう訳か3つとも前向きに倒れてしまっていた。
その前に置かれた、お線香とロウソクの立てられていた台ごと押しつぶすように・・・
「ご住職!お墓が・・・お墓が倒れています!見て下さい!!」
遠藤さんはそのお寺に走りこんで住職に叫んだ。
「何ですと?そんな馬鹿な・・・ちゃんと埋めて安定させた筈じゃから、そう簡単には倒れたりねぬはずじゃ・・・・どれどれ・・・」
倒れたお墓の前に私と住職と遠藤さん家族が呆然と立っていた。
「悪い気を感じるな・・・まだ・・・」
その時遠藤さんのお父さんの携帯電話がなった。
相手は今日 お墓の掘り起こしをしてくれた現場監督だった。
「なんだって!それは本当ですか?」
電話を持つ手が震えていた・・・・
いったい何が・・・まだあるというのだろうか?
続く