落石事故による死・・・・押しつぶされての圧死。
思い土砂や岩の下敷きになって死んだ人たちが、今度は他所の家の下敷き・・・・
何とも辛い話であった。
「私はもう静かになりたい・・・でも一言だけは言ってあげたかった。この痛さ・・・苦しさを」
お墓の住人はポツリと言った。
「私達は安らかな死を望む・・・大きな石のお墓はいらない・・・小さな墓石で十分だ。」
もう一人の住人も言った。
「豪華な墓石なんか作られたらたまらない・・・重いのは嫌だ・・・」
最後のもう一人もそう言ってうつむいた。
「皆さんの遺骨自体は不明になってしまっているのですが、墓石だけでよろしいですか?」
私は真摯に聞いた。
「骨か・・・骨なんかとっくに溶けてなくなっちゃってるさ・・・だから構わんさ・・・」
そしてその3人のお墓の住人は、見守っていた昔の仲間の下へ行って、頭を下げた。
「すまない・・・もう俺は死んでいないなんて言わない・・・そんな俺達の為に、みんなで救いの手をこうやって差し伸べてくれた事が嬉しい。本当にすまなかった・・・」
「ああ・・・これで・・・これでみんな一緒だ。さあ 帰ろうぜ・・・安らかな所でゆっくり休めよ」
「ああ・・・行こう・・・・墓の事は頼む・・・」
墓の住人が私を振り返りそう言った。
「分かった・・・ここのご主人と住職さんに、私から良く頼んでおくから・・・心配しないで・・・安らかに眠って下さい。」
「ああ・・・そうするよ・・・やっとあの時の事故から時間が動く・・・それから・・・ここの息子の件・・・済まなかったと伝えてくれ・・・怒りに任せてしまった結果で、かわいそうな事をしてしまった。俺にも同じくらいの息子が居たと言うのに・・・本当はみんな後悔していたんだ・・・申し訳なかった。」
「その息子さん・・・幹夫君ならここに居ますよ。さあ 幹夫君・・・顔を見せてあげなさい。」
私の横に幹夫君が現れた。
「おお・・・・これは・・・本当によい若者を・・・済まなかった・・・許してくれまいか・・・この通りじゃ・・・」
「もうすべて終わった事ですよ。僕の事も・・・皆さんの辛い過去も・・・僕はこうやって両足で靴を履けたし・・・貴方達を怨んだりしません。」
幹夫君は 笑顔で爽やかに答えた。
「そう・・・そう言ってくれるか・・・ありがとう。
みんな昔の事か・・・そうだな。君が許してくれるなら・・・俺達もこの家を許そう・・・なっ!」
続く