私の事を知っているような口っぷりだった。
「井口さんの事は、本の恐怖体験 霊能者は語るなどで読みました。だから私の方の予備知識はばっちりです。」
見たところ26歳か27歳くらいの年齢に見える。
「それで・・・今日は何をしにここへわざわざ来られたのですか?龍門さんもお忙しい筈でしょう?」
「忙しいとか忙しくないとかの問題ではないのです。井口さんもそうしているでしょう?同業者の行った除霊には、途中から手を出さないと・・・」
「それは同じ案件に対して、改めて依頼が来た場合には私は動く・・・」
「それは失敗と認められたら・・・という意味ですか?」
「選択権はあくまでも依頼者にある・・・違うかね?龍門さん。」
「それはそうですけど、こちらも命を賭けているので、安易な方向変換は失礼だと思うんですが。」
「だから・・・今度の依頼者は斉藤マネージャーだ。文句あるかな?」
「・・・・・・・そうなんですか・・・ママはそれでも良いのですか?」
龍門は、ポカンと夢見顔のままこう答えた。
「私はどっちでも 構いやしませんよ・・・」
「チッ!・・・・それじゃあ 今日井口さんの除霊を拝見させて下さい」