緊張が走る空気・・・
あの龍門でさえ緊張するらしい。
「ここだな・・・ここにいる。」
「井口先生・・・大丈夫でしょうか?」
「斉藤さん、ママを連れてさがっていてください。」
「はい!」
そう言って斉藤さんは、サキエママの肩を抑えるようにしてリビングとの境まで下がった。
「1・・・2・・・3・・・全部で3体か・・・それにママの中にもう1体・・・合計で4体を相手にするのか?龍門クン・・・君は1体は始末したのか?」
「すみません・・・1体も始末していません。」
思わず私は龍門の顔を見つめてしまった。
「そうか・・・では警戒だけさせてしまった訳か・・・この怒りを感じる気はそのためか・・・」
私の目の前を、不可視の緑色のスライム状の霊体が飛び交っていた。
「斉藤さん・・・粗塩ありますか?」
「粗塩ですか?どうだろう・・・塩ならありますが・・・はい。」
私はこの時、霊体に気を向けるあまり、大変な失敗をしてしまった事に、まだ気が付いていなかった。
続く